こんにちは。

 

馬谷です。

 

厚労省は、毎年、賃金構造基本統計調査という統計を発表しています。

 

このデータを見ると一般的な産業で日本の賃金は確実に低下していることがわかります。

 

大手企業が、毎年賃上げをしているニュースを見ますし、自分の賃金も上がってきていると感じている人もいると思うのですが、日本全体を見ると低下傾向にあります。

 

今回は、この賃金低下時代が家計に与える影響について、お伝えしていきます。

 

 

年齢別賃金統計から見えるもの

 

賃金構造基本統計調査では、学歴別、年齢階級別の賃金を発表していますので、平成20年、平成30年と、その差額(平成30年 - 平成20年)を表にしてみました。

 

▲はマイナスを表しています。

 

「平成30年 - 平成20年」の欄を見ますと、30代以降でほぼ▲表示になっていますので、この10年で賃金が低下していることがわかります。

 

20代の若手の賃金は上昇していますが、その他の年代は下がっており、特に40代の落ち込みが大きいです。

 

例をあげてみましょう。

 

平成20年の大学・大学院卒の欄で40~44歳の賃金平均は、466,000円。

 

平成30年の大学・大学院卒の欄で40~44歳の賃金平均は、426,400円。

 

差額は、39,600円です。

 

10年でこれだけ低下してしまいました。

 

 

 

女性の場合はどうでしょうか。

 

 

高校卒は、落ち込みはないようですが、大学・大学院卒は、男性と同じように低下しており、40代の落ち込みが大きいです。

 

 

この統計は、「一般労働者」を対象にした調査であり、パートは除いていますから、パートの賃金は影響していません。

 

こうしたデータから見ると、会社員の賃金は、この10年間で確実に低下しているといえます。

 

 

なぜ、低下してきたのでしょうか。

 

その理由の一つとして、昇給額の抑制が挙げられます。

 

同じ賃金構造基本統計調査から、過去の賃上げ額をみてみますと、次のようになります。

 

 

 

平成が始まってすぐの頃は、14,000円前後の昇給が行われていましたが、徐々に低下していき、平成12年頃からは、4,000円~3,000円になっていきます。

 

この頃は、失業率も上昇傾向にあった時期です。

 

平成の終わり頃には、上昇傾向にあるようですが、平成初期の頃に比べれば、半額以下ですし、会社は、賃金の上昇を抑制していることが、うかがえます。

 

このように平成初期から終わりにかけて、だんだんと昇給額が小さくなり、賃上げ額が低調のまま令和の次代を迎えています。

 

令和の時代も、20代は昇給していきますが、30~50代の賃金は、徐々にフラット化して、年齢階級別の賃金格差はなくなっていくのかもしれません。

 

 

先ごろ、トヨタ自動車の社長が、

 

「なかなか終身雇用を守っていくというのは、難しい局面に入ってきた」

 

と発言し、大きなニュースとして取り上げられました。

 

今後は、年齢が上がれば昇給するという世の中ではなくなっていくのでしょう。

 

 

賃金が上がらない中、どう乗り切るか

 

今後、賃金の大きな上昇が見込めないとなると、当然、家計にも影響してきます。

 

毎年昇給していけば、昇給した分を貯蓄や教育費に回すことができましたが、それができなくなってしまいます。

 

賃金を増やしてくても決定権は会社にあるのですから、個人としてはどうすることもできません。

 

家計のお金を増やすとすれば、投資をしてお金を増やすか、または、副業や転職でお金を増やすことが考えられます。

 

ここでは、副業について考えてみたいと思います。

 

 

副業でお金を増やす

 

政府は、副業を推進するため、環境整備を積極的に進めており、厚労省が作成するモデル就業規則にも、副業を認める条文が追加されています。

 

副業を希望する人は、年々増えており、今後も、増加していくものと思われます。

 

 

これまで、多くの企業では、副業などを認めないことを前提に就業規則が作られていましたが、政府は経団連などの団体と連携して改定を促す取り組みをしていくそうです。

 

さらに労働保険や社会保険など労務管理のガイドラインをつくっていくことも公表しています。

 

副業ができる環境は整ってきましたので、会社に確認をとった上で、なにか始めてみてはどうでしょうか。

 

 

フリマアプリの「メルカリ」で不要なものを販売することや、「クラウドワークス」に代表されるようなマッチングサービス会社に登録して、WEBデザインや原稿作成、翻訳など、ご自身の得意分野を活かして、稼ぐ方法もあります。

 

はじめてみると、新たな発見があり、ご自身の仕事のスキル向上に役立つ可能性もあります。

 

一方で、副業を行うことで、就業時間が長くなるので、労働者自身による健康管理が必要であり、秘密保持を厳重に行うなどの留意点もあります。

 

 

 

副業のメリットと留意点(ガイドラインより抜粋)

従業員メリット①離職せずとも別の仕事につくことが可能となり、スキルや経験を得ることで、労働者が主体的にキャリアを形成することができる。

 

②本業の所得を活かして、自分がやりたいことに挑戦でき、自己実現を追求することができる。

 

③所得が増加する。

 

④本業を続けつつ、よりリスクの小さい形で将来の起業・転職に向けた準備・試行ができる。

 

留意点①就業時間が長くなる可能性があるため、労働者自身による就業時間や健康管理も一定程度必要である。

 

②職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務を意識することが必要である。

 

③1周間の所定労働時間が短い業務を複数行う場合には、雇用保険等の適用がない場合があることに留意が必要である。

 

 

会社メリット①労働者が社内では得られない知識・スキルを獲得することができる。

 

②労働者に自律性・自主性を促すことができる。

 

③優秀な人材の獲得、流出の防止ができ、競争力が向上する。

 

④労働者が社外から新たな知識・情報や人脈を手に入れることで、事業機会の拡大につながる。

 

留意点①必要な就業時間の把握、管理や健康管理への対応、職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務をどう確保するかという懸念への対応が必要である。

 

 

会社員の副業 税金はどうなる?

 

副業は、働き方によって税務上の「所得」の区分が変更になります。

 

例えば、本業とは異なる会社で、WEBデザインの仕事を行っているのであれば、「給与所得」になりますし、

 

個人事業主として、業務を受けている場合は、「雑所得」か「事業所得」になり、どちらを選択するかは、継続性、規模、営利性などによって判断して、税務署に届け出ることになります。

 

これらの本業以外の所得が、年間20万円を超えた場合は、会社員でも確定申告が必要となります。

 

この20万円は、売上額ではなくて、経費を差し引いた利益でみることになります。

 

 

最後に

 

副業を始めるにあたっては、所属している会社が認めているかどうかが最も重要です。

 

まずは、就業規則の内容を確認するところから始めてください。

 

 

給与所得の場合は、社会保険も関係してきます。

 

副業先の会社で、一定時間以上の勤務をする場合、その会社でも健康保険や、厚生年金保険に加入することになり、保険料の納付が必要になってきます。

 

とくに、大手企業では、「年収106万円以上、週20時間以上の勤務など」に該当すれば社会保険へ強制加入となりますので、比較的短時間勤務でも対象になります。

 

 

賃金が上がらない中で、家計を守っていくには、何らかの手段で、お金を増やしていく対策が必要です。

 

少しでも早く始めれば、その分だけ、そのお金を未来の資産形成に回すことができます。

 

副業による働きすぎによって体を壊してしまっては元も子もないので、注意が必要ですが、始めることによるリターンも大きいと思います。

 

ぜひ、検討してみてください。