こんにちは。
馬谷です。
親が40代のときに子供が生まれると、心配になるのが教育費ですね。
大学まで行かせようと思えば、高校卒業まで18年間あるので、その間に貯蓄する計画を立てていたとしても、出費がかさんで思うように貯蓄できず、目標額に届かないケースもあるかと思います。
そんなときは、奨学金や教育ローンを利用する方法もあります。
そうはいっても、無償で借りることはできないので、利子をつけて返済していかなければなりません。
借金することに抵抗がある人もいると思いますが、高等教育にお金を使うのは将来への投資になるので、返済プランをしっかり立てて利用することを検討してみてはどうでしょうか。
今回は、奨学金や教育ローンについてお伝えします。
目次
奨学金や教育ローンの検討
奨学金を利用する学生の割合
独立行政法人 日本学生支援機構の調査によると、奨学金を受給している割合は、減少傾向にあるようですが、二人に一人は、奨学金等を利用しています。
独立行政法人 日本学生支援機構の調査より抜粋
「家庭の年収区分別の奨学金受給者の割合」をみると、年収900万円~500万円まで幅広い家庭で利用されていることがわかります。
あまり年収に関係なく利用されているようですね。
教育費の用意を検討する順番
検討する順番として、まずは奨学金を検討しましょう。
もし奨学金が借りられない場合は、公的教育ローン、最後に民間の教育ローンの順番で検討します。
民間の教育ローンは、金利が高いので最後の手段として考えておいたほうがよさそうです。
奨学金もローンも、借金になるので、将来の返済計画を立てて、できるだけ少なく借りることを心がけましょう。
奨学金の利用
奨学金は、親が借りるわけではなく、学生本人が借りることになります。
日本学生支援機構の奨学金には、
国内の大学・短期大学・高等専門学校・専修学校(専門課程)および大学院で学ぶ人を対象とした利息の付かない「第一種奨学金」 と、「利息の付く第二種奨学金」があります。
第一種奨学金は、無利子で借りられますが、一定以上の成績基準をクリアする必要があるので、条件は厳しくなります。
一方、第二種奨学金は、年(365日あたり)3%を上限とする利息付です。ただし在学中は無利息です。

この他に、大学独自で返済する必要のない給付型の奨学金も増えています。また奨学金ではなく、授業料減免を実施している大学もあります。
大学・地方公共団体等が行う奨学金制度は、日本学生支援機構のホームページから検索して、閲覧できますので、検討される場合は、チェックしてみてください。
子供が大学を受験するのであれば、事前に情報を集めておくことが必要です。
公的教育ローン、民間教育ローンの利用
教育ローンには、公的教育ローンと、民間教育ローンがあります。
公的教育ローン
公的教育ローンとは、日本政策金融公庫が行う「教育一般貸付」と呼ばれるものです。
日本政策金融公庫は、100%政府出資の金融機関であり、銀行などの一般の金融機関を補完し、国民生活の向上を目的としていますので、安心して利用できます。
借り入れ金額は、一人あたり、350万円までで、「低めの固定金利タイプ・最長15年の長期返済」となっており、日本学生支援機構の奨学金とも併用可能になっています。
また、幅広い世帯年収の家庭をサポートしており、インターネットでの申し込みにも対応しています。

民間教育ローン
民間の教育ローンは、大手銀行はじめ、地方銀行やJAなどが取り扱っています。インターネットで「教育ローン」を検索してみると、教育ローンの比較サイトなどが出てきますので、参考にされるとよいかと思います。
中には、公的教育ローンより、金利が低い銀行もあるようですが、総じて高めに設定してありますので、最後の手段と考えておいたほうがよさそうです。

教育費を祖父母に頼る
もし祖父母に資産があるなら、孫の教育費を援助してもらう方法もあります。
子の教育費の一部を負担してもらえるのであれば、親はその分、老後資金等にお金を回すことができます。
具体的には、「教育資金贈与信託」を利用します。
おおまかな手順としては、
①祖父母が30歳未満の孫の教育資金として、金融機関に専用の口座を開設し、金額を決めて入金(受取人ひとりあたり、1500万円が上限)する。
②孫等が教育資金に関する費用の領収証等を金融機関に提出し支払を受ける。
この「教育資金贈与信託」を利用することで、贈与税はかからず、相続開始前3年以内の贈与の相続税課税価格に加算されません(例外もあります)。
一度にまとまった額を非課税で贈与できるので、毎年非課税範囲の110万円以内で贈与する手間を省くことができます。
本制度の手続きは、信託銀行が取り扱っており、2013年4月1日から2012年3月31日まで利用できます。
最後に
40代で子供が生まれると、60歳の定年後に、子供が大学へ進学するケースもあります。
それまでに、教育資金を貯めることができればベストですが、急な出費などで、計画通りにいかないこともあるでしょう。
その場合は、子供と話し合って奨学金を利用することも検討してはどうでしょうか。
現実的には、子供に将来の借金を背負わすことになりますが、後から自分で返すとなれば、勉強する目的も明確になり、将来、社会人になってからのことを真剣に考えることにもつながっていくと思います。
奨学金は借りすぎると、社会人になってから苦労することになりますから、できるだけ少なく、計画的に借りることを心がけましょう。