不安の感情をおさえるためには、自分のすべての感情を認めることが必要
・不安や心配の感情にも目を向ける
・あなたの中にあるすべての感情を認める
・自分の感情に呼びかけ認める方法
最近に始まったことではありませんが、「自己肯定感」に関する本の出版が相次いでいますね。
あなたも関連する本を読まれたかもしれませんが、
「なんだかスッキリしない」
「自己肯定感が上がっていく気がしない」
もし、そんなふうに思われていれば、ぜひやってほしいことがあります。
それは「自分の今の感情をそのまま認めてあげる」ことです。
認めることで今の不安や心配の感情をおさえることができ、自己肯定感を上げていくためのスタート地点に立つことができます。
今回はその方法についてお伝えしていきます。
自己肯定感を高める前にやってほしい不安の解消方法
書店で自己肯定感に関する本を手にしたとき、あなたはどんな気持ちでしたか?
「私は自己肯定感が低いから高くしたい」
「これを身につければ人生が変わる」
「楽に生きていくことができる」
こんな想いを持たれたかもしれません。
そして、実際に本を読んでどうだったでしょう。
書いてあることはそのとおりだと思うけれど
「気持ちが楽になる気がしないな・・」
「自分が変わっていくイメージが出てこないな・・」
そんな受け取り方をした人もいるのではないでしょうか?
今、パワハラ被害を受けていて、不安な気持ちが強いのに、急に自己肯定感を上げていこうとしても、ハードルが高いような気がして苦しい。
「私は価値ある存在だ」
「私は大切な存在だ」
と、口に出してみても、なんだかむなしい気がしてしまう。
そう感じてしまうのは、不安や心配の気持ちがあまりにも大きく、暗雲に覆いつくされているからではないでしょうか。
だから、本に書いているワークをやることで、その瞬間は自己肯定感が上がったと感じることができても、ちょっとしたネガティブなことが起きると、すぐに下がってしまいます。
このようにすぐに下がってしまうのは、自己肯定感を上げたときの自分は一面的なものだからです。
表面上、自己肯定感を上げよう上げようとやってみても、その裏面には大きな不安や心配の感情があるのですから、どうしてもそこに引きづられてしまいます。
「私は価値ある存在だ、大切な存在だ」と思うことは大切ですが、表面ばかりを考えて、裏面に目を向けないでいるのは無理というものです。
人間の感情は揺れ動くものですから、不安や心配の感情にもしっかりと目を向ける必要があります。
あなたの中にあるすべての感情を認める
では、不安や心配の感情をおさえるためにどうすればいいのか。
それは、よい感情も、よくない感情も含めて、あなたの中にあるすべての感情を認めてしまうことです。
ときには「会社も仕事もほったらかしにして、わずらわしい人間関係から解放された世界で生きられたらどんなに楽だろうか」
といった衝動でさえも、しっかりと認め、受け止めてしまうことです。
「いやいや、そんなことを考えちゃダメでしょう」と思われたかもしれませんが、人間の感情は押さえつけられたり、否定されたりすると、どんどん大きくなってしまいます。
逆に、誰かに認めてもらえる、受け止めてもらえるとおさまっていきます。
あなたも、誰かに話を聴いてもらうことで、気分がスッキリしたことがあると思います。
それと同じで自分の感情をあなた自身がしっかりと受け止め、認めることができれば、不安や心配の感情はおさまっていくのです。
自分の感情を認める方法
では、自分の感情を認める方法についてお伝えします。
例えば、職場の上司から、悪意のある言葉を投げ続けられているとき「こんな状況があと何年も続くのか・・」と考えると、不安という暗雲が頭上にかぶさってきます。
こんなとき、誰かに不安を打ち明けても「あなたの接し方にも問題があるんじゃない」と言われたりすると、不安はおさまるどころか、さらに大きくなくなります。
こうした不安をそのまま受け止めてくれる人が近くにいてくれればいいのですが、見当たらないかもしれません。
そんなときは、あなたが、自分の感情に耳を傾けてみてください。
例えば、こんなふうに考えます。
あなたの身体の中には、たくさんの「あなた」がいるイメージをします。
お金のことを考えているあなた。
健康のことを考えているあなた。
家族のことを考えているあなた。
そうした数ある「あなた」の中で、「不安なことを考えているあなた」がどこにいるのか探してみます。
頭、肩、胸、背中など、身体のどこにいるかイメージするのです。
そして、ここかなと感じた場所にいる、もうひとりのあなたに向かって語りかけていきます。
「ねえ、私の中にいる”不安さん”、私はあなたが胸の中にいるのをわかっているよ。あなたがそこにいることを認めているよ。大丈夫だよ」
と、まずはこんなふうに、不安の存在を認めるのです。
不安を抱えているもうひとりのあなたを認めることができると「自分はここにいて、不安を抱えているあなたはあちら側にいる」と切り分けて考えることできます。
これだけでも大きな変化があります。
なぜなら、不安を抱えているのは、胸の中にいる自分だけであり、自分の一部分だけなんだと客観視できるようになるので、不安の感情が自分で調整できると思えるくらいの大きさに変化していくからです。
私自身も時折、将来の不安感に襲われることがあります。
そのまま放っておくと、不安が不安を呼ぶので良いことはないですね。
なので、自分の不安に呼びかけます。
「ねえ、”不安さん”、あなたはどこにいるの?ああ、心臓の近くにいるんだね。わかっているよ、大丈夫だよ」
と言って、その存在を認めて、ゆっくりと深呼吸を繰り返します。
時間にすれば数分ですが、不安が小さくなり落ち着いていくことを実感できます。
人間は不安や心配など、よくない感情を持ったとき、それを見ないようにしよう、捨て去ろうと考えますよね。
「会社や仕事をほったらかしにするなんてダメだ、こんなことを考えちゃいけない」などと自分をおさえつけようとします。
もう、おさえつけることに慣れてしまい、それが当たり前になっているのではないでしょうか。
でも、先ほどお伝えしたとおり、人間の感情は押さえつけられたり、否定されたりすると、大きくなっていきますから逆効果です。
自分の中にある不安や心配の感情をただただ認めてみる。
そうするとその感情は変化し、おさまっていきます。
まとめ
今回は、不安な感情をおさえるために、自分の感情を認める方法についてお伝えしました。
自己肯定感を高めていくことは大切ですが、急に上げていこうとしても不安や心配の感情が大きすぎるため、簡単には上がりません。
だから、まずは抱えている不安や心配などの感情をおさえていく必要があります。
自分にとって、よくない感情に覆われてしまっているときは、その感情を抱えるもうひとりの自分にやさしく声をかけて認めてみる。
そうすることで、感情がおさまります。
なんだか苦しいな、つらいなと思うときは、ぜひ、試してみてください。