2020年3月31日に「70歳までの就業機会の確保」を会社の努力義務とする

改正高年齢者雇用安定法などが成立しました。

2021年4月から施行され、会社は「希望する社員が70歳まで働けるようにすること」が求められるようになります。

この法律は努力義務ですが、多くの会社が「定年後に契約社員として採用し、70歳までは働けるような会社制度」をつくっていくことになると思われます。

70歳まで働けるといっても、継続して能力を発揮していかなければ、70歳前に契約終了となることも当然あります。

つまり、長く働いていくためには、時代にあわせて自らのキャリアを変化させ、スキルを磨き続けていかなければならないということです。

今回は、自らのスキルを磨き続けていくための第一歩として、なにから始めればよいかをお伝えしたいと思います。

雇用情勢の変化

今回の新型コロナウイルス騒動で休業させられたり、失業するケースが広まっています。

騒動が長引くと会社が倒産してしまうこともあり得ます。

そんなときでも、他社で通用するスキルを持っていれば、すぐに転職することができます。

このコロナ騒動はどこかで落ち着くと思いますが、そのあと同様のことが起こるかもしれませんし、会社だって未来永劫に続く保証はどこにもありません。

業績がよい大手企業でさえも、将来を見越して希望退職者を募っている時代です。

会社の言うことを聞いて頑張っていれば、一生面倒を見てくれる時代はとうの昔に終わっています。

自分で自分のキャリアを作っていかなければならない時代になっているのです。

サバイバル時代を生き抜くためのスキルを磨く

2020年3月25日の日経新聞に、「令和社員のスキル磨き改革」と題した「富士山会合ヤング・フォーラム」の開催記事が掲載されていました。

このフォーラムは、日本経済研究センターと日本経済新聞社が2017年10月に共同で立ち上げた中堅・若手世代による政策提言機関だそうです。

今回の会合では

スキルを磨き続けなければ生き残れない「サバイバル会社員時代」がくると強調し、各自が自らのスキルを把握し、希望する職種や必要なスキルはなにか、どうスキルを向上させるかを徹底して考え抜き実践する必要がある

と訴えています。

まさにその通りだと思います。

わたしは現在独立開業しておりますが、会社員時代になんのキャリア計画も立てず、成り行きに任せていたため、独立した当初はスキルがまったくなくて本当に苦労しました。

会社員時代にもっと先を見据えて、「必要なスキルや経験を積み重ねておけば、こんな苦労をすることはなかったのに。。」と後悔だらけでした。

今回のコロナ騒動のようなことが起きると会社が倒産したり、失業することもありますが、スキルを磨いていれば転職や独立もスムーズに進みます。

会社に依存することなく、自らのスキルを磨き続けていける人だけが、この会社員サバイバル時代を生き抜いていくことができます。

「自分のキャリア計画を立てて実行していく」ことは、今後社会人として必須のスキルになると思います。

はじめの第一歩

今回のフォーラムでは、社員がムリなくスキルを棚卸し、磨き続けていくことができるよう「キャリアコンサルタント」の設置を企業に義務付けることを提案しています。

キャリアコンサルタントとは国家資格であり、キャリア形成などの相談や助言を行う専門家です。

わたしもキャリアコンサルタントして多くの企業の社員と関わってきました。

大手企業では、キャリア開発室といった部署を設けて、キャリアコンサルタントを設置し社員のキャリア形成を促進しているところもあります。

ですが、多くの人が勤める中小企業にはその余力がなく、動きがあるとしても
まだまだ
先の話です。

そうした会社の動きを待っていたのでは手遅れになりますから、生き残っていくには、自ら動き出さなければなりません。

しかし、そうはいってもなかなか行動には移せないと思います。

キャリアについて計画立て実行することの重要さはわかるけど、キャリアコンサルタントを自ら探して相談をしていくのはハードルが高いとお感じになるのではないでしょうか。

そこでわたしがおススメするのは、外部の研修会や資格の勉強会などに積極的に参加されることです。

なぜなら、そこでいろんな経歴の人と知り合いになり、様々な会話をすることで刺激を受け自らを成長させていくことができるようになるからです。

研修会等には、独立している人もいれば、大企業の社員、中小企業の社員などいろんな人がいます。

自ら勉強しに来ている人ばかりですから、みなさん意識が高く優秀な人が多いです。

例えば、独立している人であればこれからどんなスキルを身につけておいた方がいいのか教えてもらったり、

大企業では、いまどんな悩みを抱え、どんな仕組みをつくりあげようとしているのかなど、いろんな話を聞くことができます。

実際、わたしは外部の研修会で知り合った方にキャリアコンサルタントの勉強会に連れて行ってもらい、その仕事の魅力にひかれ、資格取得を目指すようになりました。

こうして社外の人と接することで、自分が楽しいと思えることや、今後必要とされるスキルなどが、だんだん見えてくるようになります。

それらをベースにして、これから自分のキャリアをどう描いていきたいのかを考え始めるといいと思います。

一歩踏み出すことで、あなたのキャリア人生は大きく変わっていきます。

ぜひ、いつもの生活圏を超えて、新しい人たちと交流してみてください。

まとめ

今回は、サバイバル会社員時代を生き抜くために「自分のキャリア計画を立ててスキルを磨き続ける」必要があることをお伝えしました。

このようにスキルを磨き続けていれば、実はパワハラ上司から自分を守ることにもつながります。

パワハラを受けているときに、ぐっと我慢し続けてしまうのは、ここで会社を辞めてしまと次の会社が見つからないのではと不安に思っているからだと思います。

でも、スキルを磨くことで「自分はいつでも転職できる」と思えるようになるので、こころに余裕が持てパワハラ上司の言動を軽く受け流せるようになります。

たった1回限りの人生です。

納得の行くキャリア人生にするためにも、ぜひキャリア計画を立てていきましょう。