人間は「感情の生き物」と言われています。

日々生活していると、ちょっとしたきっかけで気分が上がったり下がったり、なかなかコントロールするのが難しいものですね。

感情は、物事に対したとき自動的に出てきますし、とらえどころがなくてなかなか厄介です。

例えば、パワハラを受けてストレスがたまった時のマイナス感情は、生産性を低下させますし、人とのコミュニケーションも上手くいかなくなります。

そうすると、周りの人を気遣う余裕などなくなってしまいますし、仕事も手につかなくなります。

さらに、イライラや不安などのマイナス感情が積み重なっていくと気持ちも沈んでしまうので、そんなときは一旦「感情」をリセットして、自分の状態を整える必要があります。

そうすることで前に進んでいくためのチカラを養っていけるようになるからです。

今回は、イライラや不安などのマイナス感情をリセットし、自分の状態を整える方法についてお伝えします。

パワハラ被害を受けたときのマイナス感情をリセットする方法

私たちの感情は、何かの出来事を前にしたとき、ほぼ自動的に浮かびます。

そして、その感情は「一瞬にして消え去るもの」と「頭の中に残り続けるもの」に分かれます。

例えば

一緒に仕事をしている上司に「頼まれていた書類」を渡しました。

 


ところが上司はパソコンから目を離さず、手も出さずに

 

 

「ああ、はい・・」と言ってきました。

こんなとき、あなたならどんな考えが浮かびますか?

「何か急ぎの仕事でもあるのかな?後で読んでくれるだろうから、そのとき確認しよう」と考えて特に感情が揺れない人は、その感情がすぐに頭から消え去ります。

一方、「何か嫌われることをしただろうか?」と考えて不安になる人もいれば、「いつもこうだ、自分のことを軽んじている」と怒りを覚える人など、その人によって引き出される感情も様々です。

ただ、こうした不安やイライラのマイナス感情は、すぐに頭から消え去ることがなく継続してしまいます。

そして、その原因である相手や出来事を頭の中でふと思い出しては、「イライラや不安を募らせて、マイナスの感情が増えていき、気分が落ち込んでしまう」という現象が繰り返されます。

こうした現象を止めるには「繰り返されるマイナスの感情を切り取って、別の感情を発生させること」ができればいいのです。

そのためには、「新たな質問」を自分に対して投げかけます。

イライラや不安といったマイナス感情を解消するための最も有効な質問は「感謝の質問」です。

「今、誰にありがとうの言葉を伝えたいだろう」と考えてみてください。

家族でも友人でも、同僚でも、神様でもいいです。

そして実際に「◯◯さん、ありがとうございます」と声に出してみてください。

そうすると不思議なことに、感謝の気持ちがジワジワとわいてきて心が温かくなりませんか?

「ありがとう」という言葉を出すには、人から親切にしてもらわなければ言う機会がないと思うかもしれません。

でも実際には「ありがとう」という場面はたくさんあります。

「今日も電車が時間通りに来てくれた、運転士さんありがとう」

「子供が無事学校から帰ってきた、先生ありがとう」

こんな風にちょっと目先を変えてみると「ありがとう」と言う機会はたくさんありますね。

この「ありがとう」という言葉を使って、繰り返されるマイナス感情を頭から解消していきましょう。

「ありがとう」の効用

この「ありがとう」という言葉は、いろんな言葉の中でも、とても大きなプラスのエネルギーを持つ言葉だと思います。

精神科医で随筆家であった斎藤茂太先生の著書『人生を変えた感謝の名言』によると

「ありがとう」という感謝の言葉には、次のような効用があると書かれています。

①「ありがとう」の言葉には、不思議なエネルギーが備わっている。

 

 

苦悩を喜びに変え、憂鬱な人生を明るい人生へと変えていく力がある。

 

 

「ありがとう」はどんな人の心をもとらえ、人生の価値を再認識させてくれる言葉。

②「ありがとう」という一言には、いまこの瞬間を「生きていてよかった」

 

という思いが満ちあふれている。そればかりか相手の存在そのものに感謝する

 

エネルギーがこもっている。

③「ありがとう」という意識を持つとき、脳の血流を測ると全般的に血流が増え、

 

ことに小脳と左側頭葉の血流が増すという実験結果もあるという。

 

その結果、脳の機能が高まるので、思考が明晰になっていく。

 

さらにストレスが減り、免疫システムが向上するという効果をもたらす。

④「ありがとう」の言葉は、どんな人でも素直に受け入れてくれる。

 

だから、人間関係の葛藤が減り、仲間意識が芽生える。恋愛や友情など、

 

新しい人間関係が引き寄せられる。

このように「ありがとう」という言葉を発することで、これだけの効果が期待できるわけです。

①~④のどれを取っても、パワハラ被害を受けストレスを抱えている人には有効だと思います。

「ありがとう」でストレスを低下させる

さらに、脳科学の見地から「ありがとう」の効用をみてみるとおもしろいことがわかります。

人は「幸福感」を感じるとき、脳内で幸福物質が増えていくそうです。

この幸福物質が増えると「幸福になれる」と言えますし、逆に幸福物質が少ないと「苦しい・辛い」といった気持ちになります。

主な幸福物質は次の3つです。

・セロトニン
・オキシトシン
・ドーパミン

この中のひとつであるオキシトシンは「つながりの幸福感」と言われています。

これは、例えば夫婦や恋人などパートナーと一緒にいるときや、子供や友人と遊んで楽しいときに分泌される物質です。

コミュニケーションや人とのつながり、愛情、交流などに関連しており、人に親切をしたとき、されたときにも分泌されます。

つまり「ありがとう」の言葉を発しているときは、まさに人とつながり、交流しているときですから、オキシトシンが分泌されているわけです。

このオキシトシンは「ストレスを低下させ、細胞の修復などを促進する効果もある」と言われていますので、あなたの心と体を癒してくれるのです。

まとめ

「ありがとう」という言葉を発することで、マイナスな感情が解消し、自分のこころを平穏な状態に保つことができるようになります。

パワハラ被害を受けて心が傷ついている時には「何か行動を起こさなくちゃ」と思いながらも気力がわかず、行動できない場合もあると思います。

そんな時は、まず自分自身の心の状態を整えるために、周りの出来事について「感謝しています。ありがとう」と言うようにしてみてください。

そして自分自身にも、今日一日頑張ったことを褒めて「よくやった、ありがとう」 と言ってみてください。

言葉を重ねていくうちに、じんわりと心があたたかくなり、回復していく実感が得られると思います。

このやり方は多くの人に効果があり、費用もかからず、いつでも簡単にできる方法です。

この方法を繰り返すことでパワハラに立ち向かうためのエネルギーを蓄えていきましょう。