あなたは、上司から「能力がない」「仕事が遅い」「使えない」などと叱責され、 暗い気持ちに落ちた経験がありませんか?

暗い気持ちに落ちてしまうのは、自分が無価値の人間に思え、人格を全否定されるような気持ちになってしまうからです。

これが続いていくと、最初は自分を責めていた気持ちが反転して、相手への憎しみに変わっていきます。

なぜなら、憎しみの感情とは、だれかにひどい扱いを受け、不快になった気持ちを辛抱し続けた結果でてくる感情だからです。

この憎しみは、ほかのどんなものよりもエネルギーや時間を消耗しますし、価値あるものを生み出しません。

だから、今すぐ憎しみを断ち切り、あなたにとって価値あるものにエネルギーを費やしていくべきです。

今回は、「なぜ憎しみが生まれるのか」、そして「そこから抜け出す方法」についてお伝えします。

堂々巡りから憎しみが生まれる

あなたは、今、上司に対して憎しみをもってますか?

相手に憎しみをもっているとき、あなたのマインド(思考)はどのように流れているでしょう。

・私は不快な気分だ。

 

・なんで私がこんな目にあわなくてはいけないんだ。

 

・こんな不快な気分をなくしたい。

 

・なにが原因なんだ。

 

・原因は過去の出来事だ。

 

・その出来事が起きた原因は私ではない。

 

・原因はあの上司だ。上司に責任がある。

 

・あの上司が自分を否定するようなことを言わなければ良かったのに。

 

・しかし、過去に出来事はあった。

 

・だから私は不快な気分だ。

こうした堂々巡りの中にいませんか?

この堂々巡りは、あなたの頭の中でひとつひとつ意識してはおらず、瞬時に流れています。

これを毎日、何度となく繰り返していると「私が不快なのは、すべてあの上司に責任がある」となります。

そして、最後には「あの上司が悪い、あの上司が悪い」と思い続け、憎しみの堂々巡りから抜け出せなくなって、他のことが考えられなくなってしまうのです。

この堂々巡りの最中は、常に不快な感情にさらされ、そのまま放っておくと肉体が病んでしまいます。

だから、まずは不快な感情が続いている堂々巡りに、気づくことが大切になります。

不快な感情が続いているときは、なにかしら身体が反応します。

吐き気があって食事をきちんと摂れなくなる、意識が散漫で仕事に集中できないなど、いつもと異なる反応が出てきます。

その反応に気づいたら、不快な感情の原因である堂々巡りを見つけて止めていきましょう。

堂々巡りをやめれば、不快な感情にさらされることもないですし、病むこともありません。

堂々巡りをやめる方法

では、堂々巡りを止める方法を2つお伝えします。

感謝の気持ちを伝える

堂々巡りが続いているときは、原因である相手や出来事のことを思い出しては、憎しみがわいてきます。

ならば、この憎しみを断ち切るために、別の感情を発生させるようにするのです。

人の思考や感情に割り込む方法は案外シンプルです。

堂々巡りをやめる方法のひとつ目は「人に感謝の気持ち」を伝えることです。

「いま、誰にありがとうと伝えたいだろう」と考えて

実際に「◯◯さん、いつもありがとうございます」と言葉に出してみます。

感謝の言葉を伝える相手は、家族でも友人でも、同僚でも構いません。

あなたの周りには直接的、間接的にサポートしてくれる人や、頼りにしてくれる人、気にかけてくれる人、応援してくれる人がいると思います。

そうした人達に感謝を伝えてみてください。

面と向かって言うのが恥ずかしければ、心のなかで言っても全然OKです。

「ありがとう」と感謝の言葉を口にすると、自分と相手の空間が温かくなるような気がしませんか?

そうするとマインド(思考)は「自分は不快だ」から「自分は気分がいい」にシフトしていきます。

人間とは不思議なものですが、「自分は気分がいい」のマインド(思考)に入ると、今度は、気分がいい原因を探すようになっていくのです。

堂々巡りをやめるにあたり、「人に感謝の言葉を伝える」方法は誰でもできるものですし、効果がありますから、試してみてください。

過去の事実と不快な感情をわけてから、しっかり認める

堂々巡りをやめる方法のふたつ目は「過去に事実があったこと」と「現在、不快だと思っている感情」を分けてから、それぞれを認めることです。

不快な感情のときは、事実と感情が絡まりあっていますので頭の中がごちゃごちゃしています。

頭の中を整理して、それぞれをしっかり認めると「過去の事実」は「過去の事実」、「現在の不快」は「現在の不快」と、はっきりと分けることができます。

過去の上司から叱責されたという出来事は、ただの事実で、良い、悪いもない。


ただそういう事実があったというだけ。

 

そこに自分は「不快だ」という感情を乗せただけ。

このように感じることができたら、次はこうします。

「不快だ」と感じている部分の意味付けを少し変えていくのです。

例えば

「不快だけれど、ほんの少しだけ意味があった」と肯定的な解釈をプラスしていきます。

不快を感じている中でも肯定的な意義や意味を探していくのです。

例えば「人生の勉強になった」「相手を反面教師として人生の手本にする」「同じことに苦しんでいる人の気持がわかるため」などに持っていきます。

これは、自分の体験に関する解釈ですから、どのように変えても自由なわけです。

解釈を変えることは、他人の力を必要とせず、自分だけで行えます。

このように解釈を変えてしまえば、不快な感情は遠のいていくことになり、堂々巡りが止まります。

まとめ

今回は「あの上司が憎い」の堂々巡りから抜け出す方法についてお伝えしました。

この、堂々巡りの中では、なにも考えられず、エネルギーが吸い取られるばかりですし、大切な時間をムダにしてしまいます。

「不快な感情」を感じたままだと、人のマインド(思考)は不快なことばかりに目が向くようになり、ますます暗い気持ちに落ちていきます。

そんなときは「あっ、今、不快な感情が堂々巡りしているな」と気づくことが、まず大切です。

気づいたら、今回お伝えした2つの方法を使って、堂々巡りから脱出しましょう。

脱出できれば、心身ともに健康を取り戻し、再び未来に向かって動き出せるようになります。