「今日も嫌な一日だった・・・」
「あの上司さえいなければ・・・」
パワハラ上司がいると、会社にいるときも、帰宅してからも、常にネガティブな感情が湧き上がってくると思います。
嫌な一日がやっと終わったと思ったら、すぐに嫌な一日が始まる。。。
こんな日常が続くと、時間とともにエネルギーが削り取られていきます。
エネルギーがなくなると、こんな考えが浮かんできませんか?
もうこんな会社辞めてしまおうか。。
でも、次が見つかるだろうか、不安だ。。
しかし、今の環境を変えるという未来は選択することができない。
会社を辞められず、動くこともできない状態はとても苦しいです。
では、どうすれば、この状況から抜け出ることができるのか、今回はその方法についてお伝えしていきます。
会社を辞めたくても辞められない理由
パワハラ被害を受けている相談者さんと接していると「会社を辞めたいけれど、辞められない」という問題にぶつかり、苦しんでいる人が多いと感じます。
相談を通じて、私が感じた「辞められない理由」を3つ上げてみます。
①悲観的な未来しかイメージできないから
・スキルがない
・年齢が40代・50代だから、もう雇ってくれるところはない
・こんな不況下で新しい勤務先は見つからない
・新しい会社でイチからやっていく自信がない
など相談者さんによって様々ですが、総じて未来を悲観していることが主な理由です。
ご自身を過小評価して、動く前にあきらめてしまっている傾向が強いです。
②複雑な問題になっているから
同僚に相談しても「あなたにも問題があるんじゃない?」と言われるのではと気になり、友人から「会社を辞めてもいいのでは」と言われても、将来を悲観的にしか考えられないから動くことができません。
習いごとくらいなら簡単にやめられても、あなたの現状(家庭環境、収入など)を考えてみると、制約が多すぎて、エイヤーで決めることもできません。
自分の決断に巻き込む人が多くなるので、単純に気力や気合だけでは乗り越えていくことのできない複雑な問題になっているからです。
③誰も決めてくれないから
例えば会社の倒産やリストラで退職勧奨を受けるなど、自分の意志に反して会社を辞めなければならないケースは別として、辞めることは自分で決定しなければなりません。
誰かが「こっちの道のほうがいいよ」とアドバイスしてくれたとしても、最後は自分で決定する必要があります。
当たり前なことを言ってますが、辞めるという行為は相当なエネルギーが必要です。
これまで歩いてきたルートを変えて、未知のルートへ進まなければならない。
そのルートは、平坦でなく、危険な道かもしれません。
そうした考えがよぎると、怖くなって「もう少しこのままのほうがいいかな」と動けなくなりますし、何とか辞めたものの、あとからすぐに後悔が始まり自分を責めてしまう人もいます。
一方、自分で決めるしかないからこそ、自分の気分に左右され、焦って決めてしまうという側面もあると思うのです。
会社を「辞める・辞めない」の選択は、これからの人生に大きく関わってきますので、突発的に判断するのではなく、少しずつ動いて、環境変化を見極めながら進めていくのが得策です。
「会社を辞める・辞めない」を決めるステップ
ここまで、辞めたくても辞められない理由を3つお伝えしました。
パワハラ被害を受けているときは、エネルギーをかなり消耗しており、冷静な判断ができなくなっています。
だから焦って決めるのではなく、十分に準備をして進めていく必要があります。
では「辞める・辞めない」を決めるためには、どのようなステップで進めていけばいいのかをこれからお伝えしていきます。
ステップ1 エネルギーを回復させる
まずはエネルギーの回復が必要です。
パワハラ被害で心身が弱った状態では、重要な決定はできません。
エネルギーが低下すると、自信も低下し、不安も引き起こします。
「辞める・辞めない」を決めきれないのは、このエネルギーが低下していることが大きな要因のひとつです。
だから、まずはできるだけ心身を休めることです。
パワハラのことで頭がいっぱいになっているかもしれませんが、いつも以上に意識して睡眠と休息を取るようにしてください。
近場の公園などで、ぼーっとするのもいいでしょうし、何も考えず好きな映画やTVを見るのもいいでしょう。
とにかく「心身を休める」と意識して行動してみてください。
ステップ2 辞める時期、決める時期を決める
例えば
「3ヶ月後の◯月◯日に会社を辞めるかどうか決める」というように時期を設定してしまいます。
仮決めでもいいので、とにかく決めてしまうことです。
「辞めるか・辞めない」にとらわれていると、そのループから抜け出せません。
今の状況では、どうしたって判断できないのだから、決定する時期をズラしてしまいましょう。
早く今の状況から抜け出したいという思いが強いと、焦りから突発的に辞めてしまうなど、判断ミスを起こしやすいです。
決める時期を決めるだけでも、焦りをおさえて落ち着くことができます。
決めるのは◯月◯日だから「今はなにもしない」は問題を先送りしているわけではありません。
「辞める・辞めない」に使っていたエネルギーを他のことに使えるからです。
時期を決めるだけでも、パワハラ問題から少し距離を取ることができ、余裕が生まれるので冷静に動けるようになります。
ステップ3 「辞める・辞めない」の二択をやめる
あなたの頭の中に、会社を「辞める・辞めない」の二択しかないのなら、冷静になってその他の案も考えてみてほしいのです。
例えば
・会社に部署異動を申し出る
・転職サイトに登録して活動を始める
・ハローワークで求人を探す
・転職していった人に経験談を聞いてみる
・別部署の信頼できる人に辞めたいと相談してみる
・資格取得、スキルアップの勉強を始める
・辞めたあとの生活費について検討する
など、辞める前にできることはたくさんあります。
「辞める・辞めない」といったゼロか100ではなくて、その間でなにかできないか考えてみてほしいのです。
そして、思いついたことがあれば行動してみてください。
上記のような行動を起こしても自分にマイナスになることはありません。
その行動が、もしかしたら「辞めなくてもやっていけるかも」につながる可能性だってあるのです。
上記のようなステップをたどりながら「辞める・辞めない」を決めていっても遅くはありません。
行動を起こしているうちに状況が変わることもあります。
パワハラ上司が異動する、退職する、懲罰を受けるとった環境変化が起きるかもしれません。
たった1つの行動でも状況が大きく変わることもありますから、まずはできるところから始めてみてください。
まとめ
「辞める・辞めない」で悩んでいる人の苦しみはご本人しかわからないですが、その苦しみを理解してくれる人が側にひとりいるだけでも、かなり楽になれます。
それは家族や友人でも、外部の専門家でもいいので、ぜひ相談してみてください。
ひとりだけで思い悩んでいると「辞める・辞めない」の二択しか思い浮かばないのです。
その他の方法も必ずあります。
もちろん、それらの方法にもメリット、デメリットはありますが、十分検討してから決断していきましょう。
パワハラ被害で心身ともに疲れているときは、何かを考える気力もわいてこないかもしれません。
そんなときは、「辞める・辞めない」以外の方法もあるんだということだけは頭の中に入れてください。
会社を「辞める・辞めない」を決めることは簡単なことではありませんが、エネルギーを回復させ、周囲の協力とあなたの力を合わせれば必ず乗り越えていくことができます。