パワハラ上司から怒りを向けられているとき、「どうしてこの人はこんなにも怒るのか」「なぜ私が怒られなきゃいけないのか」と思います。

でも考えてみれば、常に怒りたくて怒ってる人はいません。

このパワハラ上司にも怒る理由が必ずあります。

あなた自身も日常生活や会社でイライラしたり、怒りがわいてくることもあるのではないでしょうか。

無理ばかり押しつけてくる取引先や、言うことを聞かない部下や協力してくれない社員など、挙げだしたらきりがないかもしれません。

でも多くの人が、その怒りやイライラの感情をコントロールして表に出さないようにしていると思います。

でもこの怒りは、積み重なっていくと何かのきっかけに大爆発を起こしてしまうことがあります。

今回はこの怒りの感情に気づくことの大切さについてお伝えします。

少しずつ怒りをため込んでいませんか

例えば家でも職場でも、誰かが急に大きな声をあげて怒っている場面に遭遇したことはありませんか?

その怒った人は、そのときに起こった出来事だけに怒りを覚えたのではなく、それまでため込んできた怒りが、そのときの出来事をきっかけに爆発したとも考えられます。

 

例えばこんな事例です。

 

A さんは、納期が差し迫った仕事があり朝から作業に追われています。
(この時点でイライラは始まっています)

そんな時に上司から、短納期で資料作りを頼まれます。
(さらにイライラします)

そこへ同僚へ依頼していた書類が、今日中に届かないことがわかります。
(イライラがあふれそうです)

会社帰りに寄った飲食店で、注文した料理がいつまでたっても出てきません。
(イライラがMAX)

ここで、”カチン”とたまっていたイライラが爆発し、店員さんを怒鳴ってしまいました。


この事例では、Aさんが怒りを爆発させたのは、注文した料理がいつまでたっても出てこないときでした。

でもそもそも怒りの原因は、会社で起こったことによるのかもしれません。

納期が迫っているのに急な仕事を依頼してくる上司への不満や、約束をしっかり守らない同僚にイラついたりしていたのに、それをグッと抑えて我慢してきました。

そして、その怒りがAさんの中で積もり積もって、お店で料理が出てこないことをきっかけに、”バン”と爆発してしまったとも考えられます。

怒りをぶつけられた店員さんにとっては、とんだとばっちりですが、怒りが爆発する機会が多いのは、家族の前だったりするので、家庭内トラブルの原因になったりします。

こうしたイライラや怒りは、その場はなんとか抑え込むことができたとしても、「頭にきた」という感情はしばらくしても残っているものですが、何に対して怒っていたのか、どういう状況だったのかというのは、時間が経っていくと忘れたり曖昧になったりしていきやすいものです。

そのため、あとから自分の都合でその出来事を解釈してしまい、強い怒りがわいてきたりすることもあります。

同じ出来事でも余裕の有無で怒りの大小が違う

例えば、急いでいるのに渋滞に巻き込まれたり、 銀行の ATM の前で長い行列ができていたりしたとき、余裕があればゆったりと構えていられると思いますが、そうでない場合はイライラしたり怒りがわいてきたりしませんか?

この怒りという感情を、余裕を持ちながら上手にコントロールすることができればストレスをかなり和らげることができます。

それには自分自身がいったい何に対して怒りの感情を抱いているのかに気づくことが大切です。

まとめ

日常生活をおくっていれば怒りをぶつけたり、ぶつけられたりすることが当然あります。

そして、その怒りには必ず理由や背景があります。

これをパワハラ上司に当てはめてみると、この人なりの怒りの理由や背景があるということになります。

その理由の一つに先ほどあげた「余裕のなさ」があります。

余裕がない理由は人それぞれでしょうが、余裕のないことで怒りが積み重なり、何かのきっかけで爆発し、パワハラ行為に及んでいると考えられます。

ということは、この上司は何に対して余裕がないのか、何を理由にして怒りの感情がわいてくるのか観察し、 それを知ることができれば対策方法が検討できます。

こんなパワハラ上司のために、なんでわたしが考えて行動しないといけないのかと思われるかもしれませんが、上司を変えるよりも自分が行動を起こしたほうが解決への近道になります。

具体的な観察方法については、またお伝えしていきたいと思いますが、パワハラから脱出するためには「怒り」という感情を理解しておくことが大切になります。