日常生活をおくっていれば、誰しも怒りの感情がわきあがってくることがありますね。

でも、なんの理由もないのに突然怒りだす人はいませんから、怒りには必ず理由があります。

これをパワハラ上司にあてはめてみると、この人なりの怒りの理由があるわけです。この「怒りの理由」がわかればパワハラ脱出の対策が検討できるようになります。

そのため、まずはパワハラ上司を観察して、その理由をつかむことから始める必要があります。

今回はこの観察法についてお伝えしたいと思います。

相手を観察するために必要な客観的視点

パワハラ上司を観察するには、まずあなた自身がこころに少し余裕をもつことと、客観的な視点が必要になります。

なぜなら、パワハラ被害を受けているときは、怒られてる状況のことで頭がいっぱいになってしまい、なかなか観察しようとする余裕を持てないからです。

余裕がなければ、自分の置かれている状況を客観的に見ることもできません。客観的に見られないと、偏った見方をしてしまい、誤った解決策を検討してしまいます。

そのため、まずは、自分が怒られている状況を俯瞰的に見てみていきます。

もう少し具体的にいうと、俯瞰的というのは、あなたが鳥になったと仮定して、上空から、今いる自分の状況を第三者的な視点で見ていきます。

目の前のパワハラ上司の顔を思い浮かべるのではなく、上空から見下ろして視野を広くして観察していくイメージです。

パワハラ被害を受けていると、どうしても相手とのやりとりや、一方的に怒られている自分の姿しか見えなくなってしまうのですが、このように客観的に状況をみるようにすることで、こころに余裕を持つことができるようになります。

相手の観察方法

そして実際に相手を観察していくのですが、怒りだす理由がなにかあるはずですから、まずはそこを注視していきます。

例えば、次のようなときに相手を観察してみてください。

どこかでイライラしているように見えるときはないでしょうか?

時期

・月末月初(業績目標を達成できるかどうか不安でいっぱいになっている)

・月曜日(休み明けで仕事をするのが面倒で気持ちがのらない)

・会議の前(準備で忙しく緊張している)

場所

・会議室(多くの視線が自分に向けられていて緊張している)

・取引先(相手からの評価やその後の仕事の影響で頭がいっぱいになっている)

体調

・空腹(昼前や夕方には力が出なくてイライラしている)

・眠気(昼食後は頭が回らず、考えがまとまらず仕事の効率が悪い)

他にもいろんな状況があると思うのですが、どんな状況で怒り出しているのか、気づいたことはどんどんメモしてみてください。

パワハラ上司のこころの中や体調まではわかりませんが、見た目からでも気づく点はたくさんあると思います。そして、しばらく観察していくとある程度傾向がわかってきます。

これと同じように「怒っていない普通のとき」も観察してみてください。

怒っているときとそうでないときを比較してみると、どういった状況であれば怒りだすのか、より浮かび上がってきます。

そうすると、怒りだす状況になりそうなときが事前にわかるので、「その場を少し離れる」「受け流す」「そのときは声をかけない」など、怒りに巻き込まれないようにするために自分なりの事前準備ができるようになります。

そうすれば、突然の相手の怒りにかき乱されることもないですし、頭が真っ白になって立ち尽くしてしまうこともなくなっていきます。

まとめ

パワハラを受けていると、「自分が悪いから相手を怒らせてしまっているんだ」「相手は自分のためを思って言ってくれているんだ」と思いがちです。

でもそもそも、怒りを向けてくる相手が100%悪いのであって、あなたはなにも悪くないのだから、反省する必要は全くないんです。

怒りにはいろんな理由がありますが

夫婦喧嘩のイライラ
子供のイライラ
自分の成績のイライラ
自分の体調不良のイライラ

こうしたイライラが積もり、職場でのなにかの状況をきっかけにして爆発し、あなたにパワハラしているのかもしれません。

こんな自分勝手な理由でパワハラしてくるなんて許せませんが、パワハラ加害者は自分を律することができず、被害者の気持ちを汲み取る能力もありませんからどこかで変わるのを期待しないほうがよいです。

ですから、被害者はなにかの行動を起こしてその状況から脱していけるようにしなければなりません。

その方法のひとつが「観察する」ことです。

観察することは、自分自身の置かれている状況を客観的に見つめることができ、相手との距離を置けるようになるので、こころに余裕が持てると同時にパワハラからの脱出対策が検討できるようになります。

パワハラ上司をじっくり観察することで、相手の怒りに巻き込まれず、自分を守っていってください。