あのパワハラ上司に復讐してやりたい、仕返ししてやりたいと思ったことはありませんか?
わたしは被害を受けているとき、いつもそう思っていました。
でも、そう思っても行動には移さずに踏みとどまる人が多いのではないでしょうか。
それは「もっと立場が悪くなるかもしれない、報復されるかもしれない」と考えてしまうからです。
だから、立場が悪くならず復讐できる方法がないかと考えるわけですが、その方法を実行に移した結果、「自分はどんな気持ちになるのだろうか」と考えることはあまりないように思います。
復讐したいという思いが強すぎるから、そのあとの感情までは考えが及ばないのかもしれません。
今回はパワハラ上司に復讐した後、いったいどんな気持ちになるのかをお伝えしていきたいと思います。
パワハラ上司への復讐の後に待つものは
最終回に42.2%という高視聴率を記録した大ヒットドラマ「半沢直樹」以降は、復讐ドラマが人気だったように思います。
主人公の復讐作戦がうまくいくと、テレビをみていてもスッキリしますよね。
半沢直樹の原作者である池井戸潤さんの小説は、ピンチをチャンスに変えて逆転していくストーリーが多く、これが視聴者をひきつける魅力のひとつだと思います。
この復讐劇ですが、例えばあなたがパワハラ上司に対して復讐したときのことを考えてみると、どんな気持ちになるでしょうか?
復讐した後はどんな気持ちになる?
アメリカのコルゲート大学 カールスミス教授らは「復讐」に関する実験の調査結果をまとめています。
この実験では、まず参加者にゲームをしてもらいました。
ただしその中の一人はサクラで「ゲーム中にみんなで協力して賞金を分け合おうと呼びかけるが、最後に裏切って賞金を独り占めする」という身勝手な人物になってもらいます。
ゲームのあと、実験の参加者は二つのグループに分けられ、その自分勝手な人物に「罰を与える機会のあるグループ」と「与えられないグループ」に分けられました。
そのあと、参加者の感情を調べたところ
罰を与える機会を得た参加者は全員がその機会を利用したのですが、結果として機会を与えられなかった人たちより、嫌なネガティブな感情を抱いていたそうです。
罰を与えた参加者は自分の行為を気にして何度もそれについて考えてしまうので、罰を与えなかった参加者よりネガティブな気分が強くなってしまったと考えられます。
罰を与えなかった参加者の方は、他のことに気持ちを向けるしかなかったので前向きになったそうです。
半沢直樹のドラマにあるように、人間は「やられたらやり返す」という復讐を望む生き物なのかもしれませんが、一方で復讐しても最後は嫌なネガティブな気持ちになることがこの実験でわかりました。
これはあくまでひとつの実験結果に過ぎませんが、パワハラ上司に復讐したとき自分ならどんな気持ちになるのか想像してみてはどうでしょうか。
復讐することで一時的には気分が晴れるかもしれませんが、その後も相手のことを思い出してしまうと、相手のことを考えているその時間はムダであり、もったいないと思います。
その時間を自分のために利用した方がよっぽど有益です。
わたしがお伝えしたいのは、この実験結果のように嫌なネガティブな感情が残るから復讐するなということではありません。
相手からの理不尽なパワハラ行為に対して何の行動もせずに我慢する必要はありません。パワハラはどんな手を使ってでも止めさせる必要があります。
ただ、復讐という言葉の定義は人それぞれなので、ご自身がどこまで望むのか、復讐のゴールを考え、そのとき自分の気持がどうなるのかも考えてみて欲しいのです。
限られた大切な時間は自分のために使う
スペインのことわざで「優雅な生活こそ最高の復讐」という言葉があるそうです。
これは嫌なことをしてくる人への一番の復讐は「自分が幸せに過ごすことだ」という意味です。
意地悪な人、威圧的な人、大声で怒鳴る人など、人が嫌がることを平気でしてくる人がこの世の中にはいます。
この人たちをなんとか変えようとアプローチしてもムダに終わってしまう可能性が高いです。こういう人たちは簡単には変われません。
だから、こんな人たちとはなるべく争わずに解決していく方法をとっていく方があなたのためになります。
その方法は、他の記事やメルマガでもお伝えしていますのでぜひご登録いただき参考にしてください。
心理学では「人は一時に一つのことしか考えられない、感じられないし、一つのことしかできない」という法則があるそうです。
ということは楽しいことを考えていれば、嫌なことを考えることはないということです。
だからなるべく楽しいことを考えていくようにしたほうが気持ちが楽になります。
でも、ときどき嫌な人の顔が思い浮かんでしまうかもしれません。
そんな時は、この人は人をおとしめることでしか自分の存在価値を感じられない「なんてかわいそうな人、なんて不幸な人なんだろう」と上から目線で考えていきましょう。
日々の大切な時間をパワハラしてくる人なんかに奪われず、あなた自身の幸せのために使ってください。