「仕事の細かなミスを捜して、ネチネチと文句を言う」

「報告が少し遅れただけで、怒鳴りちらす」

「ひとつのミスだけで、仕事ができないと決めつける」

など、とにかく理不尽で、すぐに怒りイライラして、憂さ晴らしをしようとする「感情的」な上司がいると、もううんざりして会社に行くのがイヤになると思います。

こんな上司にあたってしまった運命を呪いたくなるかもしれません。

プライベートなら、つきあわないと決めることで解決できますが、仕事はそういきませんよね。

なんとかストレスをためずに、上手につきあっていく方法がないかと思うのではないでしょうか。

上手につきあっていくためには、相手がパワハラしてくる理由を想像し、パワハラを最小限に食い止めるよう行動していくしかありません。

今回はその方法についてお伝えしますので、「パワハラで今の仕事を辞めたくない」と思う人はぜひご覧ください。

パワハラ上司との上手な付き合い方

まず、なぜ相手が理不尽なパワハラをしてくるのか考えてみましょう。

何の意味もなく行動する人はいないのでその上司にも目的があるわけです。

例えば仕事でミスをした時に「お前はダメだ」「お前はバカだ」などと言ってくる人の目的はあなたを嫌な気持ちにさせることです。

そして、「お前はダメだ」というメッセージを発することで、あなたをおとしめ自分に屈服している様子を見ることで優越感を感じ、鬱憤を晴らしたいのです。

例えば

とても優秀な部下と、出来のよくない部下がいたとき、上司はどのように考えているか想像してみましょう。

優秀な部下のケース

優秀な部下に対して、上司がパワハラする理由は「嫉妬」です。

私の相談経験からも、パワハラする人というのは自信がなく小心で、気が弱い人が多いです。

「弱い犬ほどよく吠える」といいますが、まさにそのとおりです。

こうした人は、優秀な部下が間近にいると、

「自分の地位を脅かされるのではないか」

「部下のほうが自分より能力があると周囲に知られてしまうのではないか」

などと、マイナス面ばかりを考えてしまうのです。

もっと自信のある上司であれば「優秀な部下が出て来てくれた。自分の仕事は部下に任せて自分は何か新しいことに挑戦しよう」

などと考えると思うのですが、パワハラする人はこうした発想ができません。

自分の地位がなくなってしまうかもと不安で頭がいっぱいになってしまうので、当然その部下のことが気に入りません。

だから、ほんの小さなミスでも「仕事ができないやつ」と決めつけ、「お前はダメだ」などと言ってくるのです。

実はそう発言することによって「私はこんなにすごいんだ、お前より優秀なんだ」と優越感を感じたいのです。

出来のよくない部下のケース

あまり出来の良くない部下に対して、上司がパワハラする理由は「会社からの評価に対する不安」です。

責任ある立場になりたての頃や立場が上がり続けている頃に、人は多くの不安を抱え込むようになります。

上からはプレッシャーをかけられ、部下の教育をどうすればいいかわからない。

自分の思った通りに動いてくれない部下に対してイライラが募り、それが爆発していくのです。

「なぜミスが減らないんだ」

「なぜ自分で考えようとしない」

「指示を待っている人ばかり」

「これでは会社の期待に応えられないし、自分の評価が下がってしまう」

「降格させられたらどうしよう・・」

こうした負の悪循環の思考でどんどん不安が募り抑えきれなくなって、憂さ晴らしするために部下を攻撃していくのです。

「自分の部下への教育の仕方が悪いのではないか」などの振り返りをする余裕もなく、常に攻撃するための理由を探しているのです。

だからほんの小さなミスをしただけで「お前が俺の評価を落とす張本人だ」と決めつけ、「俺が怒っているのは、すべてお前が悪いからだ」と部下に全責任を転嫁し、自分を正当化しようとするのです。

このように、部下の立場によって相手がパワハラしてくる理由が異なりますから、まずじっくり上司を観察してみてください。

相手はいったい何に不安や不満を感じているのか、その心理がわかると具体的な対策が見えてきますし、あなたが相手よりも精神的優位に立てます。

そして、精神的優位に立てると相手の恐怖に支配されずに行動できるようになります。

パワハラ上司と上手に付き合うためには

ここからは相手と上手に付き合うための一般的な方法を3つお伝えしていきます。

この一般的な方法と、上司を観察した上での対策を組み合わせるとより効果が出ると思います。

相手の攻撃を受け止めずにサラッとかわす

人は誰かから攻撃をされようとすると、本能的に自分を守ろうとします。

だから「お前はダメだ」と言われたとき 「私はダメではありません」と返すことで自分の心を守ることができますが、なかなか言い返せないですよね。

その場合は、

心のなかで

「あなたはダメだと思うのですね、でも私はそうは思いません」と軽く受け流すようにします。

相手の言葉は信じません。

相手の言葉ではなくて、自分自身の気持ちを信じましょう。

相手が何を言ってこようと、自分だけは自分の味方であり続けることが自分を守る最も大切なことです。

逆に絶対にやってはいけないことは、相手の攻撃をまともに受け止めてしまうことです。

受け止めてしまうと心が大きく傷ついてしまうからです。

キャリアも実績も上の上司から「お前はダメだ」と言われ続けると、自己肯定感が低下し「本当に自分はダメなんじゃないか」と思ってしまいます。

そうなってしまっては相手の思うツボです、相手を喜ばせてしまうことになってしまいます。

だから、パワハラを受けても「自分がダメなんだ」とは絶対に思わないようにしてください。

もし、自分がダメなのかもと思いだしたら危険信号ですから、周りの信頼できる人に相談するなどして、自分を信じるチカラを取り戻す必要があります。

「私がダメでした」というフリをする

不満や不安を抱えてイライラしている人は、部下に攻撃することで憂さ晴らしをしようとしますが、その目的は相手をおとしめて「自分のほうが優位にいる」ことを認識することです。

だから、「私よりあなたのほうが優秀な人です」というメッセージが上司に伝われば攻撃をやめます。

そのための方法は「負けたふり」をすることです

「あなたのおっしゃる通りです、私がダメでした」というポーズを取るのです。

そうすると、上司はあなたが自分に屈していることを実感し目的が達成されたと感じることができるのです。

これはあくまでフリでOKです。

本心では「このバカ上司いい加減にしろ」と思っていたとしても全く構いません。
相手に伝わりませんから大丈夫です。

パワハラする人は「全て部下であるお前が悪いんだ」と考えていますから、反論するとさらに激しく攻撃されてしまうことになりかねません。

相手が怒るほど攻撃が長くなり、無駄な時間を過ごしてしまうことになりますので注意してください。

相手の言葉にムカッとしたら一呼吸する

相手から「お前はダメだ」「お前は仕事ができない」などと言われるとムカッとくるのは当たり前のことだと思います。

しかし、そこでムカッとした表情を見せてしまうと「何だその態度は文句があるのか」などと相手の攻撃が強まってしまうことがあります。

だから、 なるべく表情を変えずに受け流すことです。

そのためには、相手の言葉にムカッとしたら一呼吸置くようにします。

まさに呼吸を1つ数えて、息を吐き出すことで、心が落ち着き冷静さを取り戻すことができます。

冷静さを取り戻すことができれば、「この人からは何も言われたとしても相手にしない」と心の準備をすることができます。

「この人は嫌われ者であり、かわいそうな人だ」

「こんなにも自信がないなんて哀れだ」

「幼稚・未成熟でどうしようもない人だ」

などと思うことで、相手の言葉をサラッと受け流すことができるようになります。

まとめ

今回はパワハラしてくる上司と上手に付き合う方法についてお伝えしました。

働く会社は自分で選べても、上司を選ぶことはできません。

パワハラしてくるような上司にあたってしまったとき、もうどうしていいか分からなくなってしまうと思います。

中には徹底的に戦える人もいるかもしれませんが、多くの人は争うことを好まず、理不尽な攻撃を受けてもじっと耐え続けることになってしまいます。

そうすると、どんどん心が消耗し、行きつく先は病気です。

病気になっても、その上司や会社はなんの責任も取りません。

病気にならないためにも「自分を守りながら上手に相手と付き合う方法」を身につけていきましょう。

パワハラしてくる相手をじっくり観察し、なぜこうした行動をしてくるのか分析していくと必ず理由が見えてきます。

そして、その理由に適した対策を取ることで相手と上手につきあい、パワハラ被害を最小限におさえていくことができるようになります。

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