あのパワハラ上司に復讐したい、仕返ししてやりたいと思ったことはありませんか?
わたしも過去にパワハラを受けていたときがあるのですが、そのときは「仕返しするにはどうすればいいか」ばかりを考えていました。
だから、仕返ししてやりたいと思う気持ちは本当によくわかります。
でもここで少し立ち止まって考えてみて欲しいのですが、「いつか仕返ししてやりたい」と思っているだけで、具体的な行動が起こせず現状から抜け出せない状態になっていないでしょうか。
今回はパワハラから抜け出すための第一歩として、最初に必ずやってほしいことをお伝えします。
思考が止まってしまい一歩も動けない
人はいろんな悩みを抱えながら生きていますが、その中でもパワハラはとても大きな悩みです。
「この悩みを悩みとして捉えない」とか「悩みを考えないようにする」「意識の外に追いやってしまう」
などの対策を心理学の利用ですぐに実現できればいいのですが、そう簡単にはいきません。
私は被害を受けていた当時、「上司や仕事のことは忘れよう」と思うと、余計にそのことで頭がいっぱいになってしまい、家族から「家にいるときぐらい職場のこと忘れなさい」と言われても、忘れられませんでした。
このように四六時中パワハラのことを考えていると、心身が疲れ「もう一体どうすればいいのか」と思考が止まって、一歩も動けない状況に陥ってしまうこともあります。
こんな状況のときはどうすればよいのでしょうか?
起こってしまったことを受け入れること
アメリカの作家で「人を動かす」「道は開ける」などの著書で有名なデール・カーネギーは、次の名言を取り上げています。
「その事態をそのまま受け入れること、どんな不幸でもそれを克服するための第一歩は起こってしまったことを受け入れることである」
この言葉はアメリカの心理学者である「ウィリアム・ジェームズ」の言葉ですが、カーネギーはこの言葉を引用して
「今の最悪の事態をまずは受け入れることこそ、悩み解決の第一歩となる」と言い、次のステップを提案しています。
悩みを解決するには、次の3つのステップを踏むことである。
・最悪の事態を予測すること
・その最悪の事態を受け入れる覚悟をすること
・その事態から脱出することに集中すること
パワハラの被害を受けると不安や悩みが募り、悪い方悪い方に考えてしまって、精神的に落ち込んでいきます。
そして、不安が大きくなると「パワハラから脱出するための行動を起こしても、良い結果にはならないだろう」という思い込みが強くなり、冷静な判断ができなくなってしまいます。
だから結果として、脱出行動できず、悪い事態がさらに悪化する悪循環を起こしてしまいます。
これは、パワハラ上司への恐怖感と不安がそうさせているのです。
そこでまずは恐怖心を持たず、冷静に正面から今の事態を分析し起こりうる最悪の事態を理解します。
そして「最悪の事態」とはどんな状態なのかを考えて、具体的に客観的に予測していきます。
例えば
上司から嫌われている場合
・今後昇進は望めない
・今後昇給できないかもしれない
・会社を辞めさせられるかもしれない
などです。
これらは大きな問題ではありますが、少しおおげさにいえば「命を取られるような最悪な事態まではいかない」とも考えることもできます。
最悪の事態を客観的に認識したら次はどうするか
それは予測した「最悪の事態を受け入れる覚悟をする」ことです。
これは言葉で書くと簡単ですが、なかなか難しいです。
だって、こうなることが怖いから悩み不安に思っているわけです。
でも
心を決めて「最悪の事態を受け入れる覚悟をする」ことが重要なのです。
例えば
「会社を辞める」と決断し、腹をくくることです。
腹をくくったら次はどうするか
それは、その目的を達成するために集中することです。
仮に会社を辞める決断をしたとして、そのまますぐに辞めてしまっては金銭面で生活が成り立たなくなってしまいます。
だから、転職活動を始めていく必要があります。
転職は、経験している人もそうでない人もおられると思いますが「転職する」と決めてしまえば、どう動くかは見えてきます。
思いつくものをあげてみると
・ハローワークに行って今の求人状況をチェックする
・転職サイトに登録する
・転職エージェントに登録する
・友達や家族親戚に会社紹介を依頼する
・必要な資格を取得する
など、転職するために行動できることはいくらでもあります。
そして、転職という目的を達成するために集中して活動していきます。
この決断内容は人それぞれですから、転職でなくても構いません。
「会社を辞めずにパワハラを絶対にやめさせる」と腹をくくるのであれば
・この上司のパワハラをやめさせるには誰に相談したらいいか
・社内で味方になってくれる人は誰か
・もし裁判にしたらメリットとデメリットは何か
・社外にパワハラ解決をサポートしてくれる専門家がいないか
・無料や少額で相談にのってくれる弁護士がいないか
などを調べることから始めてみるなど行動できることが見えてくると思います。
このように覚悟を決めると、こころが落ち着き、冷静に判断できるようになっていきますので、事態打開に向けて前向きに考え行動していけます。
不安と悩みに支配されて精神的に落ち込み、気分が晴れない状態から脱出するためにも「これから自分はどうしたいのか」を考え、決定し、腹をくくりましょう。
考えてもどうしたいのか見えてこないのであれば、信頼できる友人や家族、専門家に相談してください。
人に話をすることで自分自身の考えがまとまっていくことはよくあることです。
まとめ
今回は、パワハラから脱出したいけれど行動が起こせない場合、最初に必ずやってほしいことについてお伝えしました。
不安で苦しいとき、そのままなにもしないでいると悪い方悪い方に考えが向き、状況がさらに悪化してしまいます。
まずは、覚悟を決めてパワハラから脱出するための行動をひとつ起こしてみてください。
冒頭で紹介した心理学者ウィリアム・ジェームズはこんな言葉も残しています。
ひとたび決断を下し、あとは実行あるのみとなったら
その結果に対する責任や心配を完全に捨て去ろう。
私はこの言葉を「結果に責任を持たないということではなく、実行すると決断したら余計な心配や考えをせずに前に進もう」という意味に捉えています。
決断するときの迷いをひとりで振り払えないときは、周りの人に相談してください。きっと助けてくれる人がいるはずです。