パワハラ上司は「なんでこんなことができないの、あなたには能力がない」など相手を侮辱する言葉をよく使います。
面と向かって「あなたには能力がない」と言われたときは、かなりのショックです。
この言葉をそのまま受け取ってしまうと、自信がなくなったり、自己否定しがちです。
でも実は「あなたに能力がない」のではなくて、そのパワハラ上司が「能力がないと思い込んでいる」だけなのです。
そこには「ハロー効果」と呼ばれる認知心理学の現象が影響を及ぼしています。
今日はこの「ハロー効果」についてお伝えしたいと思います。
ハロー効果によるゆがんだ評価
ハロー効果とは認知心理学の用語であり、「ある対象を評価するときに、その対象が持つ目立つ特徴につられて全体の評価が歪んでしまう現象」をいいます。
人事評価制度のある会社で、部下を評価する管理職向けの研修などで学んだことがある人もいるのではないでしょうか。
例えば、「◯◯さんは、朝、元気よく挨拶する人なので仕事の能力も高い」というように一部の評価が高いと全体を高く評価してしまう現象のことです。
その他にも、テレビなどで有名人が紹介する商品があれば「あの人が紹介する商品であれば品質も間違いないだろう」と思ってしまうのも、このハロー効果の心理を利用したものです。
これには逆のケースもあって
「〇〇さんは挨拶が出来ず、声も小さいので仕事の能力も低い」というように一部の評価が低いと全体を低く評価してしまいます。
パワハラ上司はまさにこの状態です。
あなたのひとつの行為が、上司の評価基準に達していなかっただけで、その他のすべてを低く評価し「あなたは能力がない」などと発言してくるのです。
「能力がない」って言われると自分の全てを否定されたような感じを受けてしまいますが、パワハラ上司は勝手にゆがんだ評価をしているだけなのです。
だから
自分には能力がないと思ったり、自己否定する必要はまったくありません。
あなたの一つの行為が、たまたまパワハラ上司の基準に達していなかったというだけのことです。
もし、その行為が仕事をする上で支障になるものであれば、今後気をつけて改善していけばいいだけの話です。
自分を許してあげることの効用
私自身もそうですが多くの人は、過去の間違いやミスを引きずっています。
そして、その間違いや失敗を頭の中で何度もリプレイしてしまうと「またミスするんじゃないか」と落ち込んだり、自信をなくしたりしてしまいます。
そして「ああ、なんであのときミスしちゃったんだろう、もっと能力があればよかったのに」と思って何度も自分のことを痛めつけてしまいます。
そうしたことはもうやめましょう
人は誰でもミスを犯します。
あなたの周りでもミスゼロという人はいないと思います。
だから、もしミスしたときは反省し、その改善策を考えるところまでにして、その後は自分を責めずに許してあげるようにしてください。
そして何かうまく行ったときの経験を思い出して、頭の中でリプレイさせましょう。
小さな成功体験で構いません。
そうすると、だんだんと 自己信頼感(自分を信頼する感覚)が上がり自信がついてきます。自分を信じられなければ、イキイキとした人生を送れません。
私は何かにつまずいて自分を責める感情が出てきたとき「まあ、なんとかなるさ」と声に出して言っています。
そうすると気分が落ちつくからです。
そして、これまで乗り越え成功してきたことを思い浮かべるようにしています。
「私は運がいいし、これまでも成功してきた、なんとかなる」そんな根拠のない自信を作り出せると、どんな場面に出くわしても、前向きにとらえて、自分自身を成長させていくことができるようになります。
まとめ
「なんでこんなことができないの、あなたには能力がない」などと言われて自信をなくしてしまうことがあるかもしれません。
でもそれはお伝えしたとおりパワハラ上司のゆがんだ評価ですから、そのまま受け止める必要はありません。
さらっと受け流してしまいましょう。
自分に自信がないときは、どうしてもパワハラ上司の言葉をそのまま受け止めてしまいがちです。
ですので、日頃から小さな成功体験を積み重ねておき、自信をつけておきましょう。その自信があなたをパワハラ上司から守ってくれることになります。