職場はいろんな人の集まりですが、どの職場にも常に不機嫌で、怒りの感情を撒き散らす人がいるものです。

その感情が自分自身に向けられたとき

「なんであの人はあんなに怒ってるんだろう?」

私が何かしたかな
私が悪かったのかな

と思ってしまっている人は要注意です。

その時点で、相手の怒りに巻き込まれてしまっています。

「自分が悪いんだ」と考え出すと、その思考にはまり抜け出せなくなってダメージが大きくなっていきます。

今回は、相手の怒りに巻き込まれない方法についてお伝えします。

なぜ人は怒るのか

そもそも人は、どんなときに怒るのでしょう?

それは自分の欲求が通らないときに、怒りの感情がわいてきます。

例えば私の場合

満員電車で足を大きく広げて座っている人を見ると、「満員電車なんだから足を広げないで。立っている人の邪魔になるだろう」

と思い、イライラして怒りの感情がわいてきます。

これは、満員電車であれば「人に迷惑をかけることなく座るべきだ」という考えを持っているからですね。

この考え、いわばわたしの欲求を、この足を広げて座っている人は満たしてくれないから怒りがわいてくるのです。

相手がわたしに直接迷惑をかけたわけでもなく、相手からなにか言われたわけでもないのに、自ら勝手に怒りの感情を芽生えさせているのです。

他にも

子供さんのいる方であれば、朝着替えをしてくれなかったり、ご飯を食べてくれなかったりしたときイライラが爆発しますよね。

「早くしなさい」
「いいかげんにしなさい」

と声を荒げてしまったり。

これも自分の欲求が満たされないから怒りがわいてくるわけです。

パワハラ上司の欲求はどこにあるのか

このように考えてみると、パワハラ上司も何らかの欲求を満たしたいために、あなたに対して怒りをぶつけていることになります。

逆に言えばその欲求を満たしてあげれば怒りはわいてきません。

ではその怒りの根本を見つけるにはどうしたらいいでしょう?

 

それは観察することです。

 

そのパワハラ上司と周辺の人達を観察してみてください。

パワハラ上司が気に入っている人はどんな人か観察し、その振る舞いを分析してみるのです。

報連相をこまめにする人か
指示されたことを期限内に実施できる人か
上司の気持ちを理解しようとする人か
自分の意見を言える人か

など

じっくり観察してみると、パワハラ上司が気に入ってる人と、そうでない人の違いや基準がわかってくると思います。

それが少しでも見つかれば、あなた自身と照らし合わせてみて、できているのか、できていないのかを見つめ直すことができるようになります。

決して、パワハラ上司に無理に合わせる必要はありませんが、基準が分かっていればパワハラ上司との距離の取りかたも見えてきます。

距離の取りかたとしては、次のような方法もあります。

相手に近づかない

自分がぐっと我慢して相手に合わせるような行動は取らないようにしましょう。

そもそも相手の怒りは相手自身の問題であり、あなたには何の責任もないのですから、相手に合わせる必要はありません。

もしかしたら、あなたは相手に変わってもらおうと何か行動するかもしれませんが、それは無駄になってしまう可能性が高いです。

なぜなら、パワハラ上司は自分の行為が正しいものであると思い込んでいるからです。そんな人に変わってくれと伝えようとしても難しいです。

そうであれば、もう徹底して物理的に相手に近づかないことです。

仕事上、必要最小限度の行動しか取らないようにしましょう。

そうしないと相手の怒りのはけ口として都合の良いように使われるだけです。

心理面でも近づかない

パワハラ上司が何か言ってきても、決して「自分が悪い」とは思わないようにしてください。

もちろん仕事上で何かミスをした時は「すいませんでした」としっかり謝って同じミスをしないようにすればいいだけのことです。

それ以外のことで自分を責めるのはやめましょう。

だって、それ以外は相手の問題なんですから、気にせずスルーしちゃいましょう。

そうは言っても真面目な人ほど、自分を責めて相手に合わせようとする気持ちがあると思います。

でも相手は悪人ですよ。

他の人の心情を汲み取ることができず、深く傷つけ、自分の考えや意見を押し付けるだけのどうしようもない人間です。

そんな悪人のためにあなたが我慢することなんかひとつもありません。

相手がなにか言ってきたら

こころの中では「あ~あ、またどうしようもないやつがなんか言ってきたよ」くらいに思いながら

「勉強になりました」
「参考になりました」

と言っておけばいいです。

少しずつでいいので心理の面でも相手から離れるようにしてください。

まとめ

2020年6月にパワハラ防止法が施行されます。

そのためアンガーマネジメントのような怒りを抑えるための研修を管理職向けに実施してる企業が多いようです。

でもそもそもパワハラするような人は、自分の行為が正しく問題があるとはまったく思っていないので、アンガーマネージメントの研修を受けてもどれだけの効果があるのか少々疑問です。

ですから相手は簡単には変わらないことを前提に対処していきましょう。

相手が怒るのは相手の勝手であり、あなたには関係ありません。

だから相手と距離をおいて、スルーするのが一番いいです。

相手が怒りをぶつけてきても「何で怒られるんだろう」と自分のせいにしないで、「何で怒ってるんだろう」と観察してください。

そして、相手の怒りに巻き込まれないように行動していきましょう。