パワハラ相談を受けていると、自分を責めたり、自己卑下したり、マイナスの方向に考えてしまう人が多いです。
客観的に考えてみれば、自分の責任ではないことでも、自分がうまく行動できなかったせいだと思い込んでしまいます。
そうすると、ストレスを抱えやすくなり、積み重なって最後はメンタルが病んでしまいます。
ストレスをなるべくためずに過ごすためには、意識的にストレスを解消していく行動が欠かせません。
その行動のひとつが、「自分の考え方のクセを把握し、改善すること」です。
なぜなら、このクセを改善することでストレスが解消されるからです。
今回は、この考え方のクセについてお伝えしたいと思います。
そこの茶色い物体は何?
何かの物事に直面した時に、瞬間的に頭で考える内容は、人によって異なります。
例えば道端で10円玉ぐらいの茶色い物体を見つけたとしましょう。
見つけた瞬間、虫だと思う人もいるでしょうし、単にゴミと思う人もいるでしょうし、特に感想を持たずに通り過ぎる人もいるかもしれません。
茶色い物体を見た瞬間に、人は判断していますので、なぜそう思ったのかを意識することはありません。
このように、物事に直面した瞬間、頭の中で考え方が浮かびますが、その内容は人によって異なり、それぞれ考え方のクセがあります。
例えば事例を挙げてみましょう。
(事例)
上司から頼まれていた仕事をしている時に、上司から「あの頼んでいた仕事どうなった」と言われた。
こんな時、あなたならどんな考えが浮かぶでしょう?
「私の仕事が遅いと感じているのだろうか」
「上司から言われる前に、自分から状況報告できなかったのがよくないな」
「今やってるのに、うるさいな」
「今の進捗が知りたいんだろうな。報告しようと思ってたからちょうど良かった」
このように様々な考えがあります
物事の考え方で感情が変わる
「私の仕事が遅いと感じているのだろうか」と考えれば、不安になるかもしれませんし、
「上司から言われる前に、自分から状況報告できなかったのがよくないな」と考えれば、落ち込む感情が生まれるかもしれません。
「今やってるのに、うるさいな」と考えれば、怒りが湧いてくることもあるでしょう。
「今の進捗が知りたいんだろうな。報告しようと思ってたからちょうど良かった」などと考えて、特に感情が動かないこともあります。
つまり、人は物事の考え方で感情が変わっていくということです。
考え方のクセを改善しストレスを解消する
「今やってるのに、うるさいな」と怒りの感情が出てしまう人の場合、急かされているようで、怒りの感情が湧いてくるのかもしれません。
他のシチュエーションでも同じように考えてしまう傾向はないでしょうか?
怒りの感情を決して否定するわけではないのですが、常に怒りの感情が湧いてくると疲れてしまいます。
その場合、一歩だけ引いた目で、状況を客観的に見てみましょう。
上司は上司なりに仕事を抱えている。
上からプレッシャーをかけられている。
納期をどうしても守りたい。
などといった理由があるのかもしれません。
このように、いつもと別の考えが浮かんでくれば、怒りの感情も抑えていくことができるでしょう。
つまり、自分の考えを別のものに置き換えてみることで感情をコントロールすることが可能になります。
物事に対する自分の考え方のクセを知っておくと、「あっ またこの考え方をしているな。他の考え方ができないかな」と意識的に修正していけるようになります。
まとめ
物事に対する考え方のクセは、人それぞれです。
良い悪いもありません。
ですが、自分のクセを知り、それをほんの少し変えるだけでストレスを解消していくことができるのです。
上司からの言動を受け止めるとき、「自分が悪いから。自分の能力がないから」という考え方のクセに飲み込まれていないでしょうか。
このクセをコントロールすることができれば、自分を否定することがなくなり、上司からのパワハラに対抗するパワーも湧いてきます。
悪いのは、「パワハラする上司なのに、どうして自分を変えていかなくてはならないのか」と思われるかもしれません。
そう考えることは、当たり前の感情だと思いますが、自分の考え方を少し変えるだけでストレスが解消されていくのであれば、やってみる価値はあるのではないでしょうか。
上司をすぐに変えることはできませんが、自分を変えていくことはできます。