先日、メルマガ読者さんから以下の相談がありました。

「わたしは会社で経理をしていますが、先輩のAさんから仕事上での注意を受けることがあります。みんなの前で何度も注意され、些細なことでもメールで指摘してきます。それもわざわざ、上司や関係者にCCをつけてです。精神的に辛く疲弊してきました。」

この世の中で完璧な人はいませんから、誰だって仕事上のミスはしますよね。

そのとき上司や先輩から注意を受けることはありますが、それが業務に支障のないと思われるものなのに執拗に注意をしてくるのであれば、嫌がらせやイジメに該当する可能性もあります。

もしかしたら、先輩であるAさんは「~しなければならない」という思いとらわれていて「こころの余裕」がないから、執拗に注意(攻撃)してくるのかもしれません。

今回はこのような嫌がらせをしてくる人と争わずに、自分を守る方法についてお伝えします。

執拗に注意してくる理由

先輩であるAさんが些細なことでも執拗に注意してくる理由はなんでしょうか?

実はAさんのように執拗に注意してくる人や、身勝手に振る舞っている人、傲慢な人などには「こころに余裕」がありません。

「相手の感情なども考えず、気ままに注意してくる人間」のように見えるかもしれませんが、こころに余裕がないので、いつも苦しみの表情をしています。

試しに相手の表情を観察してみてください。

こころに余裕があれば充実感に満たされているような表情をしているはずですが、そうは見えないのではないでしょうか。

同僚に対して、いつも上から目線の言動や威張ったりする態度をしてくる時点で「こころに余裕」がないことを表していると思います。

そして、こうした人達の多くが「◯◯しなければならない」という思いにとらわれています。

例えば

「わたしがあの人の面倒をみてあげなければならない」

「わたしがあの人に注意してあげなければならない」

「自分の評価を下げられないためにも、きちんと指導しなければならない」

などのとらわれです。

職場での仕事もやりがいがあるからしているわけではなく、義務感や、やらされ感でやっているので満足感や充実感はありません。

苦しみを感じているだけなんです。

だから、相手も同じように苦しみの表情をしていないと許せません。

そして怒りがわいてきます。

その怒りは、上長に向けるわけにいかないので、後輩や部下などに向けられます。

些細なミスでも責め立てたり、みんなの前で何度も注意したりして、相手に苦しみの表情を出させようとします。

それをみて、苦しいのは自分だけではないと感じることで、自分のこころのバランスを取ろうとするのです。

職場にこんな人がいるといつも気を使わなければならないし、監視されているようで仕事もやりづらくなりますよね。

監視されているように感じると精神的プレッシャーがかかりますから、余計にミスが生じてしまうことにもなりかねません。

一方、怒りを向けられる後輩や部下はたまったものではありません。

ストレスがたまりますし、「もう勘弁してほしい、いつか仕返ししてやる」という気持ちが出てきます。

「あの人は本当に嫌な人、不快な人」と思ってしまうと、その思いが延々と続いてしまいます。

争いの土俵からおりる

人間関係の争いのもとになるのは感情です。

結局のところ

先輩Aさん視点で言えば、「些細なことでもミスする相手が悪い」

後輩視点で言えば「些細なミスまで執拗に注意するAさんが悪い」

などのような感情がそれぞれ出てきて、次第に「どちらが正しいか」の争いになっていきます。

こうした争いは簡単に解決することができず、結果として自分が傷つくだけになる場合が多いので、争いの土俵からはすぐに降りることが大切です。

降りるというと、負けたような気持ちになる人もいるかもしれませんが、自ら能動的に降りるのですから負けたことにはなりません。

最初から戦わないことを選択するのですから、「負けの感覚」にはならず、自尊心も満たせます。

具体的にはこのように考えてみてください。

「自分のほうが精神的レベルが上である。相手は大人として不完全でかわいそうな人である。だから、わざわざ相手の土俵にあがって争うことにメリットがない」

争うよりも、自分の力で自分を守り、自分を傷つけない方法を考えていくことのほうが重要です。

まとめ

職場で執拗な注意(攻撃)をしてくる人がいるとき、その人になんとか変わってもらおうとすることは難しく、話してみてもムダになる可能性が高いです。

話をしても理解しあえることはなく、争いになり、結果として傷つきネガティブな感情しか残らないことになります。

それならば最初から争わず、ラフに受け流してしまうほうがよいです。

執拗に注意してきても、「精神的レベルが低く不完全な人がまたなんか言ってきたわ」くらいにみてしまいましょう。

そして、こころに余裕が出てくれば、「ご指導ありがとうございます」と過剰なくらい丁寧にお礼を言っておくとよいと思います。言われた方はそれで満足するからです。

こちらの本心は相手にはわかりませんから大丈夫です。

争わず、自分自身を大切にするにはどうすればよいかを一番に考えていきましょう。