パワハラ相談で被害状況をうかがっていると、長期間にわたって被害を受けている人がかなりおられます。

中には、数年にも渡って被害を受けている人もいました。

なんとかいまの絶望的状況から解放されたいと思っても、なかなか方法が見つからず、耐えてこられたのだと思います。

自分一人では乗り越えられないパワハラという壁にぶつかってしまったとき、人はどんな心の状態になるのでしょうか?

強い孤独感に襲われる


他人が幸せそうに見える

 

幸せに生きられない自分が嫌だ

 

パワハラ上司への憎しみが募る

人によって感情は異なるでしょうが、こんな気持ちのまま毎日を過ごすのは本当に辛いですね。

パワハラがなくなり、以前の状態に戻ることができれば、それが一番いいことです。

ただ、パワハラ問題を自分一人の力で解決していくことは難しく、なかなか自分の思い通りに進んでいかないものです 。

こんなときは、どんな気持ちで日々向き合っていけば、絶望的な状況を乗り越えていけるのでしょうか。

それは、いま目の前にある一瞬の幸せを自ら感じ取り、積み重ねていくことです。

今回は、一瞬の幸せの積み重ねが、なぜ絶望的状況を乗り越えることにつながるのかについてお伝えしていきます。

パワハラの絶望的状況を乗り越えるヒント

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この半年間、毎日上司からパワハラを受けて悩んでいる。


周りの同僚が上司の機嫌をとるばかりで自分のことを助けてくれる人はいない。

 

みんな上司の言動で嫌な思いをしているはずなのに誰も動こうとしない。

 

窓口に相談しても、揉み消されるのではないかと不安ばかりが募る。

 

あと何年もこの状況が続くと思うと人生真っ暗だ。

これはある相談者の方がおっしゃった言葉です。

パワハラ問題は必ず解決できるものだとわたしは思っていますが、こればかりは相手があることなので、解決までの方法を自分ですべてコントロールできるわけではありません。

このように自分ではコントロールできない人やものに幸せを委ねてしまうと、運命に抗うことができず、その現実をなすすべもなく受け入れるしかなくなります。

そして、目の前のパワハラ問題が解決しない限り、真っ暗な人生を送らなければならないということになってしまいます。

パワハラが続く生活は、絶望に引きずり込まれるような感じを受けるのではないでしょうか。

パワハラを受けているときは「会社に行くのさえイヤ。でも行かないとクビになる。お金がなければ生きていけない。だから、我慢して出社する。」

こんな状況の中で、自分でさらなる重荷を乗せてしまうと、本当に真っ暗になってしまいます。

パワハラから抜け出せない悩みや不安は、いまはどうしようもないけれど、せめてこころがホッとする瞬間を自分で作り出し、幸せを感じることができると、真っ暗の中に光が見えてくるようになります。

そのホッとする瞬間を作り出し、幸せを感じる方法をこれからお伝えしていきます。

自分のことを「ダメな人間だ」と感じる必要はない

パワハラから脱出できないというのは未来が見えず絶望的な状況に見えますが、それだけではありません。

パワハラが止まるという期待を持ちながらも、それが打ち砕かれるという、心のダメージを数多く繰り返してきているという側面があります。

上司からのパワハラを止めるために自分なりに仕事を頑張り、上司から認めてもらうために努力したりします。

自分は一生懸命に仕事を頑張っているのだから、上司も変わってくれるのではないかという期待があるのに、それが実現しないということは、かなりのダメージであり、こころの傷を深くしていきます。

こうした状況が続くと、当然、パワハラから抜け出すイメージがつかず、将来が不安になりますし、自分が無力な存在に感じられます。

「相手は変わらない、だから期待しない」と明確に認識することができると解決するための一歩を踏み出せるのですが、この期待を捨て去ることができないこともあります。

そうすると、自分の出来ないところ、足りていないところに焦点があたってしまい、これ以上どうすればいいのかと悩み、自信を喪失してしまいます。

ですから、いまの時点で、将来は真っ暗だと感じてしまうことはおかしなことではありませんし、自分のことを弱い人間だ、ダメな人間だと感じることも全くありません。

絶望的な状況から解放される方法

パワハラはとても深刻な問題です。

しかし、外的条件に振り回され続けていると、それが必要以上に深刻な問題になってしまうことがあります。

パワハラから脱出できないということが人生の中心になってしまい、それ以外のことが見えなくなってしまいます。

例えばパワハラ問題を解決できない限り、自分にはホッとできる瞬間や幸せを得ることができないと感じてしまうかもしれません。

そして、何もかもが心から楽しめないと感じるくらいに、心は追い込まれていきます。

そうした状態を回避するためには、自分にはホッとする瞬間を作り出す力があり、目の前にある幸せを感じることができるのだと認識し、それを体感することです。

そのために、いま目の前にある瞬間だけに心を集中させてちょっとホッとしてみてください。

パワハラのことは、完全に忘れて、意識の外に出してしまいます。

いま、目の前のパワハラに苦しんでいるのに「そんなことしたって意味がない」と怒りや苛立ちを感じるかもしれませんが、一瞬パワハラのことを意識の外に出したからといって結果が変わることはありません。

何かのお笑いの番組をみて心から笑うことでもいいし、映画をみて感動し涙を流すことでもいいでしょう。

夜空を見上げて星が綺麗だなあと感じることや、好きな本を読むことだっていいでしょう

こうして、パワハラを中心に回っている人生から一瞬でも自分を解放するのです。

自分以外のことに意識を向けてみよう

自分以外のことに意識を向けるには、目の前のことに集中することがオススメです。

先ほどの例以外にも、部屋の整理をする、料理をする、資格勉強するなど、なんでもいいです。

ウォーキングやスポーツなどもいいでしょう。

意識を内ではなく、外に向けることで、自分の悩みを完全に忘れる瞬間を持つことができます。

実際にやってみて、自分さえその気になれば、「ホッとする時間を持てる、いまこの瞬間自分は幸せだ」と体感することは大きな力になります。

これは、自分の心を癒やすための一つの方法です。

パワハラから脱することが出来ない限り、「自分がホッとして、幸せを感じる瞬間などあり得ない」と自分を追い込むことはやめて、自分の心を癒やす時間を持ちましょう。

幸せな未来を実現するために

そんなことは「その場限りのことであって効果はしれている、パワハラから脱出できなければ本質的な問題解決にならない」と思われたかもしれません。

もちろん、パワハラ問題を解決することが本質ですが、人の幸福度を決めるのはそれだけではないと思います。

仮にパワハラから脱出できたとしても、その後に、他の大きな問題が起きてくるかもしれません。

パワハラからの脱出は、人生のゴールではありません。

だから、いまそこにあるホッとする幸せな一瞬、一瞬に目を向けて積み重ねていくことが大切です。

一瞬の幸せを積み重ねていくことが、幸せな未来へとつながっていきます。

パワハラからいつ脱出できるのだろうかという未来のことばかりをとらわれていると、幸せがいま目の前にあってもそれを感じることができません。

いま、この瞬間の幸せを感じることができるのは、今しかありません。

まだ来ない未来を思い悩み真っ暗な人生だと思うのか、いま目の前にある幸せを感じて未来につなげていくのか、どちらも自分で選択することができます。

それでもパワハラ問題がどうなっていくのか心配や不安が消えることはありません。

それは当然だと思います。

それでも、ホッとする幸せの瞬間を自分が受け取れるかどうかは、こころを癒やすためにはとても大切なことです。

だから、ある瞬間を選んで、今だけは幸せを十分感じようと決めていきましょう。

そうすればこころの健康状態を保つことができ、いまの絶望的な状況から解放されるときが必ずきます。