あなたはこんな悩みがありませんか?
「上司が理不尽な理由でパワハラしてくる。でも言い返すことが出来ず我慢してしまう」
本当は自分の気持ちを吐き出して言い返してやりたいのに、どうしてもできない人が多いのではないでしょうか。
パワハラの相談を受けていても「相手になにか言えば報復される、だから何も言わず我慢することが一番の得策」と信じ込んでいる人もいます。
でも、相手の我慢を利用して支配しようとしてくるのがパワハラ上司です。
彼らは、あなたが我慢すればするほどつけこんできますから、早い段階で上手にキレて抵抗することで、その支配から逃れなければなりません。
今回は、パワハラ上司に対し上手にキレて、言い返す方法についてお伝えしていきます。
パワハラ上司に上手にキレて言い返す方法
ある相談者さんからお聞きした話ですが、「わたし機嫌が悪いので、今日は周りに当たり散らすから!」と言い放つ上司がいるそうです。
そして、実際に「大声で怒鳴る」「無視する」「ネチネチと嫌味を言う」などのパワハラ行為をしています。
この上司は仕事でのイライラをコントロールすることができず、近くに上位者もいないため、自分の怒りのおもむくまま行動しているようですが、一方で被害者は自分の怒りを表せないために悩んでいます。
そんなとき、自分の主張をはっきりと相手に言い返す(キレる)ことができればいいのですが、それができないからストレスを抱えてしまうのだと思います。
日常生活でもそうですが、イライラを抱えながら過ごすことは辛いです。
実際、イライラが爆発してプライベートでキレた経験をお持ちの方もいると思いますが、キレたあと、どんな感情が残りましたか?
「あ~あ。。キレるんじゃなかった、、、」と反省する人が多いのではと思うのです。
これは、キレて感情に任せたまま言葉を吐き出しても、決していい結果が得られないからではないでしょうか。
だから、仕事では「キレたらダメだ」「キレたら取り返しのつかないことになる」と自分を抑制しながら過ごしているわけです。
でも、こうした感情的にキレるのではなく、もっと戦略的にキレる方法があればどうでしょうか。
パワハラ上司に対して、戦略的に上手にキレることで
「私はあなたの思い通りにはなりません」
「会社での役割が違うだけで、あなたより下の人間ではありません」
「私は傷つき、怒っています」
などのようにキレた表現をすることで抵抗することができます。
脳科学者である中野信子さんは著書「キレる!」の中でこう言っています。
自分が不利益を被っているとき、搾取されているとき、相手が圧力を
加えてきたとき、それに対して怒りを感じるのであれば
「どんなにキレることは嫌でも、また慣れていなくても、自分の怒りを
キレるという形で、 はっきりと相手に示す必要があります。
相手に悪意をもって不利益を与える人は、反撃してこない人を探し、
その人を狙って攻撃し続けるからです」
自分を守るために嫌でもキレて言い返さなければならないときがあります。
そうしなければ、自分の時間も意欲も、笑顔でさえも奪い取られてしまうのです。
だから自分の大事なものを守るために、自分の怒りを上手に表現していくことが必要なのです。
上手にキレて言い返すスキルを身につける
人間も含めた霊長類は、そもそも力を見せつけて支配したい、社会的に上の階級に立ちたいという性質があるそうです。
多かれ少なかれ誰しもそうした面を持ち合わせているのでしょうが、普通は相手を威嚇し恐怖を感じさせる方法は使いません。
自分の感情をコントロールしながら行動していくわけですが、パワハラする人はそれができないのです。
そして支配したい、上の階級に立ちたいという欲を満たすために、まずはおとなしくて反撃してこない人を狙い撃ちにします。
それが自分のリスクをなくして欲を満たすことの出来る最善の方法だからです。
彼らは相手が反撃してこないと思えば、相手の領域をどこまでも侵略していきますので、早い段階で止めなければなりません。
そうしなければ、被害者は我慢の限界をむかえ、心身に支障をきたし、気づいたときは手遅れになってしまいます。
ここから先は入ってくるな
相手に侵略されないための方法として、中野さんはこうも言っています。
相手が監督や上司など、自分より明らかに立場が上だとわかっていても
「ここから先は入ったら困ります」というところを、しっかり示して
おかなければならないのです。
そして、上の人に言い返すのは怖いかもしれませんが、①はっきりと「怒鳴るのはやめてほしい」と言い切るか、②眼力を使ってじっと冷静に目を見つめるのもよい方法とも述べています。
上司に「こいつにはちょっと言いにくいな」「面倒なことになりそうだな」と思わせることがポイントになります。
これらの方法を上司の立場で考えてみると
例えば、多くの社員の前で部下から「怒鳴るのはやめてほしい!」と言われると、我にかえり自分の言動が正しいのか確認するきっかけにもなりますし、周囲の目も気になるようになります。
彼らは自分がパワハラしていることに気づいていないので「あなたのやっていることは懲戒行為だ」と認識させなければなりません。
また、眼力を使ってじっと冷静に目を見つめられると、怒鳴ったことに対する後ろめたさを感じるようになります。
上司をじっと見ることで「何か文句あるのか」とでも言われたら、「いえいえ、ちゃんと話を聞こうと思っただけです」とでも言っておけばいいのです。
このような方法に限らず、社内をよく観察してみると上司に対して上手に言い返している人がいるのではないでしょうか。
そうした人たちの行動をぜひマネしてみてください。
相手の攻撃を受けないためにも「ここから先は入るな」という線引きをしていきましょう。
それでも怖くてマネできないときは
それでもやっぱり報復されるのが怖くてマネできないという人もいるでしょう。
そう思うのは一人で立ち向かおうとしているからではないでしょうか。
ある相談者さんの例では、パワハラを受けていた同僚数人で協力し合い、あるとき上司を取り囲んできっぱりと「怒鳴るのをやめてください」と言っただけで、パワハラが止まった例もあります。
一人の力は小さくても、複数人で協力し行動すればそれは大きな力になります。
もし自分一人だけが標的にされているのであれば、まずは社内相談窓口や社内の信頼できる同僚、もしくは外部の専門家に相談してください。
また、上司が理不尽なことを言ってきたとき「絶対に自分が正しい」と思う内容のこともあるはずです。
その自信はこれまで一生懸命仕事をしてきたからこそ得られたものだと思います。
その自信をもとにして、思い切って言い返してみませんか。
私の場合、論理でいつも攻めてくる上司にあたったときがありました。
当時のわたしは論理で攻められると何も言い返すことができません。
でも経験が豊富で自信のあったことがらについては思い切って反論したことがあります。
そのときは「わかった、それならあなたの言う通りでいい」と理解してくれたのです。
言い返すことで、悪い結果が返ってくるのではと怖くなる気持ちもわかります。
でも、行動を起こさなければ今の状況からは抜け出せないのです。
まとめ
パワハラ被害者の方は「自分さえ我慢すれば」と思う人が多いです。
実際「被害者の6割は誰にも相談せず我慢している」という厚労省の調査データもあります。
我慢するほうが一時的には楽なのかもしれませんが、あくまで一時しのぎであり、言わないで自分の心の中だけにとどめておくとストレスが蓄積し大きくなっていきます。
そのストレスが、もし家庭内で爆発してしまうと一番大切な家族との仲が悪くなり、自分自身だけじゃなくて家族も傷つける事になってしまいます。
そうならないためにも、職場で上司が理不尽な言動をしてきたら、言い返す方法を考えてみてください。
「私はあなたの思い通りにはなりませんよ」「ちょっと面倒な人間ですよ」と思わせることができればパワハラは止まります。
相手から傷つけられたときに我慢するのはもうやめましょう。
上司に対して言い返すことは、とても勇気がいることではありますが、その行動が自分を大切にしていくことにつながります。